“飲食”という未知の世界に挑戦
(2009年7月)
カフェ ル・テルモス
オーナー:関口 てる子さん
カフェ ル・テルモス
今年の5月、石原町に「ル・テルモス」というカフェがオープンした。洞窟観音の向かいに位置するそのカフェは、観音山の雄大な自然と鳥のさえずりに囲まれ、思わず時間を忘れてしまう程の穏やかな雰囲気がある。
「心安らぐカフェを、いつか高崎でオープンしたいと熱望していました」と話す関口さん。夢を抱きつつも、ご主人と経営する会社でミニコミ紙の発行などを担当し忙しい日々を過ごしていた。そんな時、以前は茶道教室に使用していたという物件と出会う。「私の理想とぴったりで、一目で気に入りました。素敵なお店が見つかった今こそ、出店のチャンスだと思いオープンを決意しました」。
魔法にでもかけられたかのように、誰もが癒される場所にしたいという願いを込め、「ル・テルモス(フランス語で魔法の瓶)」と名付けた。
飲食業は未経験の関口さんにとって、1年という準備期間はあっという間だった。家族や友人の協力を得てメニューを考え、試作を繰り返した。「“高崎はパスタの街”パスタに合う料理で、まだ馴染みの少ない料理に挑戦してみようと思いました」。その考えから生まれた主力メニューはフランスの郷土料理「キッシュ」。パイ生地に生クリームや卵、季節の野菜やベーコン、魚介類やチーズ等、好みの具材を加えオーブンで焼き上げた料理である。ル・テルモスのキッシュは評判が高く、既にリピーターがついている。今後も種類の充実と味の向上を目指して試作に励むそうだ。
キッシュに加え、関口さんの出身地である群馬町の郷土料理「ざく煮」を組み合わせたランチは限定20食(要予約)。精一杯のおもてなしと穏やかな空間を提供するために数量を限定している。
「女性は特にランチが好きです。楽しい時間を少しでも長く味わっていただくために、これからも創意工夫を重ねていきます」と関口さん。今後は店内でミニコンサート等のイベントや、イタリアから輸入したアクセサリーを展示・販売する。お茶を片手に、ゆったりとした時間を楽しんでもらいたいという。関口さんが抱き続けた夢へのチャレンジは今まさにスタートしたばかりだ。
ちょっと一言
高崎おかみさん会の初代会長を務めた関口さんは、商売を通じて地元高崎の活性化に貢献することを常に志している。ル・テルモスにおいても、観音山を訪れる観光客の休憩所になると共に、地域の歴史や文化を伝える良き案内所としても機能していきたいと考えている。
住所:高崎市石原町2652-1
TEL:027-323-1622
営業時間:午前10時30分~午後6時
定休日:毎週(火・水曜日)
※ランチは予約制(1,100円 1日20食)
高崎商工会議所『商工たかさき』2009年7月号