高崎出身の装弾が北京オリンピックでも活躍!
(2009年2月)
鳥獣駆逐用空砲『フライター』
代表取締役社長:田中 弘道さん
日本装弾株式会社
老舗の鉄砲商が装弾の開発へ
日本装弾(株)は、クレー射撃や狩猟に用いられる装弾を中心に、火薬のエネルギーを活用した製品の開発・製造及び販売を行っている。明治6年より、
(株)吉沢商店という屋号で鞘町にて鉄砲商を営んでいた。その後、現在の親会社であるダイセル化学工業とプラスチック装弾の事業化で提携し、浜川町を新拠点として昭和46年、日本装弾が設立された。
日本製品は世界でもトップレベル
装弾の国内メーカーは日本装弾を含め全国に3社。日本製の装弾は世界でもトップレベルの性能を誇る。北京オリンピックでは、日本装弾の製品を使用し、中山由起枝選手がクレー射撃トラップ女子で見事4位入賞を果たした。
長さわずか58ミリの装弾内には直径2ミリにも満たない散弾が約270発も組み込まれ、競技・目的に応じて散弾の飛び出す角度が細かく調整されている。高精度の製品をつくるためには、機械に頼らず手作業でひとつひとつ慎重かつ丁寧に作業する工程もある。
クレー射撃の魅力を伝える
日本装弾では製造業に加え、富岡市でクレー射撃場の経営も行っている。「クレー射撃は特殊なスポーツと思われがちですが、身近に楽しむことのできるスポーツです」と田中社長。クレー射撃の魅力を伝え、競技人口の拡大を目指している。同時に日本装弾では銃器取り扱いのための相談や専門機関の紹介などにも応じてくれる。関連機関とも協力し、講習会の費用を援助するなど、全国規模でクレー射撃の発展に尽力している。
暮らしに役立つ火薬製品の開発
「火薬は危険物ですが、決められたルールを守り、正しい取り扱いをすれば非常に有用な材料です。私達が培ってきた火薬取り扱いの技術を駆使し、生活に役立つものを開発していきたいです」と話す田中社長。装弾以外にも、イベント用の煙火製品や、有害鳥獣駆逐用の火工製品等の製造も手掛けている。特に上空に打ち上げ爆音を発して野鳥を駆逐する製品『フライター』は、全国の主要な飛行場で導入され活躍している。今後は農業や林業でも使用できるよう、改良を進めているそうだ。
火薬の秘めるエネルギーが日本装弾の専門技術を介し、新しい製品へと姿を変えて私達の暮らしを支えている。日本装弾の企業努力で、さらなる有効活用の道が示されることを期待している。
日本装弾株式会社
代表取締役社長:田中 弘道
住所:高崎市浜川町760
TEL:027-343-8700
FAX:027-343-0723
URL:http://www.daicel.co.jp/nihonsoudan/
高崎商工会議所『商工たかさき』2009年2月号