台湾新幹線にも採用 世界が認めた「耐火性スポンジゴム」

(2009年1月)

台湾新幹線にも採用 世界が認めた「耐火性スポンジゴム」

台湾新幹線にも採用 世界が認めた「耐火性スポンジゴム」

CRK株式会社

生産から開発へ

 CRK(株)は昭和38年、ゴム製品の素材であるコンパウンドの生産を目的として創業した。メーカーの要求に合わせてカーボンや油などを配合し、加工に優れたコンパウンドの生産を行うとともに、工業用ゴム製品の製造・加工も手掛けている。

 創業時からCRKは大手企業との競争を視野に入れ、素材研究・開発にも力を入れてきた。根気強い研究と異彩を放つCRKの開発力が、このたび画期的な製品を生み出した。

まさに隙間の新技術

 現在注目を浴びるその製品は『熱膨張性耐火ゴム』である。配線工事等でケーブルの隙間を埋める目地材として使用する目的で開発。建物内で火災が発生すると、熱に反応してゴムが膨張する(200度以上の加熱で体積が8倍に膨張)。膨張したゴムが隙間を埋め尽くし、そのまま形状を維持。煙や炎の拡散を防止するという特性がある。

 「まさに隙間を狙った発想でした。開発には約3年もの時間を要しましたが、その性能には自信を持っています」と話す齋藤社長。この新技術が評価され、県が認可する1社1技術の中で最も優れたものとして、平成18年度の中川威雄技術大賞を受賞。さらには特許の取得にも成功した。

世界進出を視野に

 熱膨張性耐火ゴムは様々な形状に応用されており、中でもスポンジゴムは主力製品だ。従来は耐火性のあるパテを目地材として使用することが多かったが、スポンジゴムは①短期施工が可能、②追加工事が容易、③再利用が可能、という特性でパテに替わり急速にシェアを拡大している。さらに、燃焼時の有毒性が低く、防音・防振効果もあるため、建材としての活躍も期待しているそうだ。

 「まずは国内での普及を向上させ、ゆくゆくは東南アジアの建築ブームを皮切りに、世界進出を目指したい」と齋藤社長は今後の展望を語る。そんな中、スポンジゴムが台湾新幹線の耐火目地材として用いられたことは、CRKの実力を世界が認めた第一歩となった。 一般的に『ゴムは熱に弱い』という印象があるが、それを払拭し開発を進めたCRK。一つの分野に特化してその技術を高め、新しいものづくりをしていくスタイルで実績をあげた企業である。今後の活躍が期待できるのはもちろん、高崎のCRKという企業が世界に名を馳せる日も近いのかもしれない。

CRK株式会社
住所:高崎市小八木町306
TEL:027-362-7510
FAX:027-362-7561
URL:http://www.crk.co.jp/

高崎商工会議所『商工たかさき』2009年1月号

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