高齢者の介護支援で地域貢献したい。一大決意で起業
(2008年11月)
代表取締役 都木 英司さん
株式会社エフ・エス・ビー
都木さんは35年勤めた会社を早期退職し、起業を決意した。交通事故で逝った和菓子屋を営んでいた父、女手一つで育ててくれた母の介護の経験がその背景にあった。2008年1月に東京で開催されたフランチャイズ展で、高齢者の介護支援を行う事業を知り、まさにこれだという思いで決断した。ダスキンのフランチャイズ事業「Home Instead(ホームインステッド)」である。
都木さんがまず行なったのは法人設立。通常は行政書士に頼る人も多い面倒な手続きを、全て自らが行い会社を立ち上げ、9月に『ホームインステッド高崎東貝沢ステーション』をオープンした。
登録されたケアスタッフを依頼先に派遣し、介護を行なう人の補助、高齢者の身の回りの生活援助、家事や夜間の見守り等のサービスを開始したが、事業は始めから難航した。地域に2回ほど告知のチラシを打ったが、問い合わせは数件。契約に至るまでには時間もかかり、件数はさらに絞られた。 都木さんが提供するサービスは介護保険適用外で、利用者は全額自己負担となる。
介護保険では介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成する介護サービス計画(ケアプラン)に沿ってサービスが行なわれ、利用者の経済的負担は少ない。
都木さんの事業は、かゆいところに手の届くサービスとはいえ、その隙間を狙うもの。関係機関や地域の人々に存在を認知してもらわないと始まらず、そこが乗り越えなければならない課題といえる。
「まだまだ介護は家族が担うものという考えが一般的。愛情で結ばれた家族でも、高齢者が高齢者を介護したり、主婦一人に任せきりになるなど、現実的に大きな問題です。当社のサービスは、〝介護の犠牲〟を軽減、解消するものであると自負しています」と、都木さんは熱い思いを語る。
いつでも気軽に安心して利用できるホームインステッドの介護・生活支援サービスは、時代を先取りした感がある。しかし、もうすぐ時代が追いつくという確信が、都木さんの胸の中にはある。
ちょっと一言
嫁いだばかりの娘さんも、都木さんの夢の達成に向け、事務から雑用まで手伝っている。起業のストーリーは始まったばかり。『ホームインステッド高崎東貝沢ステーション』の介護・生活支援サービスが、地域になくてはならない存在となる日が、しっかりつづられると信じて前進していく。
株式会社エフ・エス・ビー
住所:高崎市東貝沢1-23-20
電話:027-370-6710
高崎商工会議所『商工たかさき』2008年11月号