ビジネス都市高崎を全国に向けて発信
東京丸の内で初のシティプロモーション
国際的なビジネスの中心地、東京丸の内に高崎が打って出た。10月22日(月)から24日(水)まで、東京・丸の内の「丸ビル」1階「マルキューブ」で行われた「高崎ビジネス誘致キャンペーン」に3日間で3万人が来場し大盛況となった。予想を大きく上回る反響を得て、今後のシティプロモーションの展開に期待が集まっている。
高崎ビジネス誘致キャンペーンは、高速交通網に恵まれた高崎市のビジネス力や、地震や風水害など自然災害の少ない土地柄、日本屈指の手厚い産業奨励制度などを、丸の内のビジネスマンにアピールすることができた。
恵まれたビジネス環境を誇る高崎
高崎ビジネス誘致キャンペーンは、高崎のビジネス力を発信し、高崎の知名度アップ、イメージアップをはかりながら、企業の将来的な高崎進出を促進するのが目的。
商都として発展してきた歴史を持つ高崎市は、新幹線2路線、高速道3路線の結節点として都市の優位性を活かし、北関東・上信越の中でも屈指の産業エリアを誇っている。国内トップの家電量販店本社、国際的にトップシェアを持つメーカーの旗艦工場、欧米に本社を置くグローバル企業の日本工場、先端産業の研究施設が数多くあり、生産・物流・営業の拠点として高崎市が選ばれてきた。
高崎から2時間圏の都県人口は4,600万人となり、日本の人口の約3分の1が高崎の交流エリアに含まれるなどポテンシャルの高さも大きなセールスポイントだ。
高崎市全産業の総生産額は1兆1,660億円(平成20年度)で県内1位、ビジネスを中心とした県外からの宿泊者が年間59万4千人、働く世代の人口増とマンション・アパートの建設が高崎に集中するなど、新たなビジネスを誘致する条件がそろっている。
また、果樹園面積は県内の3分の1を占め、収穫量全国3位の梅をはじめ、野菜果物などおいしい農畜産物に恵まれ、観光や都市集客と連動したブランド戦略に取り組んでいる。群馬交響楽団や高崎音楽祭、高崎マーチングフェスティバル、高崎映画祭など、高崎は芸術文化面においても創造性に富み、暮らしにおいても便利で魅力に溢れた都市と言える
大規模災害が少ない高崎市(2012年9月より、過去30日間の震央分布図)
直下型地震の確率は0.008%
キャンペーン会場で来場者の関心を強く引いたのが、大規模災害が少ない高崎の特質だった。東日本大震災や台風による大規模洪水が多発したことで、災害に対する危機管理が強く求められるようになった。高崎市では、これまで直下型地震や風水害による大きな被害が無く、首都圏のバックアップセンターとして注目されている。
文部科学省・地震調査研究推進本部の公表では、高崎市に関わる今後30年以内の地震発生確率は、ほぼ0%から最大で0.008%と評価されている。会場では独立行政法人防災科学技術研究所の震央分布図を展示し、高崎市直下で地震が発生していないことを、科学的データをもとに示した。
初の本格的シティプロモーション
高崎市が都内で本格的なシティプロモーションを実施したのは、今回が初めてで、首都圏へ打って出る戦略の第一弾。富岡市長の地産多消施策で、高崎産農産物の拡販事業が都内で行われているが、都市全体のイメージアップを狙うシティセールスとしては初挑戦となった。
今回のキャンペーンは、世界のビジネストレンドを動かす丸の内のど真ん中で高崎を売り込むことに大きな意義があった。当所の原浩一郎会頭を実行委員長に、市内企業の協力を得て春から準備を行い、高崎のビジネスに観光要素も加味してキャンペーン内容を練り上げた。丸の内のビジネスマンの反応が心配されたが、ふたを開けてみると、丸ビルのイベント担当者を「過去にない盛況ぶり」と驚かせるほどの成果を上げた。
レセプション会場には多くの政財界関係者が集まり、高崎市への関心の高さが窺えた。
3万人の集客で高崎産業界の力を示す
ビジネスキャンペーンの開催に合わせて、当所では、日本商工会議所、東京商工会議所に協力を依頼するほか、都内の中小企業などに向けた宣伝も行い、高崎の産業界を挙げて集客に取り組んだ。高崎に支店や工場を置く大手企業も関心を示し、3万人の来場者につながった。
初日の夕刻から行われたレセプションには、都内で活躍する政財界関係者ら150人がつめかけ、キャンペーンをきっかけに太いパイプができたことも大きな成果となった。丸ビルを所有する三菱地所㈱の相談役で東京商工会議所の高木茂監事も高崎市を高く評価し、三菱地所のほとんどの社員も情報収集のためにキャンペーンを見学したほどだ。
高崎から会場に足を運んだ企業関係者もキャンペーンの盛況ぶりを見て、「シティプロモーションの重要性を実感した」と口々にし、継続的な取り組みを期待している。シティプロモーションに戦略的に取り組んでいる自治体は少なくない。むしろ、これまで高崎は遅れをとっていたとも言える。今回のキャンペーンは、高崎を知ってもらうことを第一歩に、都市ブランドの発信を行い、集客につなげていくための先行投資として、意義のある3日間となった。