今世紀最後の図書館大移動
高崎市立中央図書館(新図書館)オープンに向けて
図書館(末広町)
高崎市立中央図書館(高松町)
平成23年4月の高崎市立中央図書館(新図書館)オープンに向けて、末広町から高松町へ引越す作業が、11月1日から3月31日まで行われている。その間5ヶ月間は図書館が休みとなる。
確かに多くの本が引っ越すのは大変な作業だが、その間いったい図書館の中ではどのような作業が行われているのだろうか?「そんなに休んで、何の作業するの?」、「5ヶ月もの間、休みでいいねえ」、「たかが引越しでしょ」という声が聞かれる中、12月から2ヶ月間、図書館移転作業を追いかけた。
延滞中の本、CD、ビデオ、DVDに対して、一人一人電話で返却の催促をする。修理、補修を行う。本1冊1冊、CD、ビデオ、DVDにも一つずつICタグを貼り付ける。運び込みがスムーズにいくように、新図書館での書棚の仕分をする。そしてこれを機に新図書システムへの移行作業と新端末を導入する。
たかが引越しではあるが、図書館内部では毎日70~80人(アルバイト)による、外部の静けさからは想像もつかない、地味ではあるが重要な大作業が行われていた。3ヶ月間で運び出し作業は無事完了!しかし3月末までの2ヶ月間、新図書館でまだ作業は続く。
返却された本、CD、ビデオ、DVDのうち「異常がありましたよ」と言われたものは実際に見たり聴いたりしてチェックし、担当職員が可能な限り修理をする。
60万冊の本全てに、1冊ずつICタグを貼り付け、その情報をコンピューターに入力する。ICタグの貼り付け作業は2年前から徐々に開始していた。
CD、ビデオ、DVDにも1本ずつ、ICタグを貼り付け、その情報をコンピューターに入力する。CDのタグは、CDが回転する時回転のバランスを保つため、中心に対して対称な位置にダミーのタグが付いていた!
返却された本はICタグ貼り付け後、箱詰め作業を待っている。 延滞中の本、CD、ビデオ、DVDは、一人一人電話で返却の催促をする。 延滞者2,343人、10,549冊(H22.10.16現在)だったものが延滞者1,660人、6,068冊(H23.1.6現在)と、地道な努力の成果が現れた。しかし、未だに延滞者1,059人、3,804冊(H23.2.2現在)は未返却である。
新図書館では、本は5階公開書庫、5階一般開架、1、2階自動出納書庫の3箇所に区分けされて収納されるので、前もって作成したリストに従い仕分作業をする。毎日70~80人(アルバイト)が、1冊ずつICタグを確認し、仕分し、箱詰作業を続ける。
毎日7トントラックで2、3往復し、段ボール箱を業者の倉庫へ搬入する。1日平均500箱の運び出しを60日で行う予定。
本が運び出され、空っぽになった図書館。26年間の図書館の役割を終えた。長い間ありがとう。今後の用途はまだ決まっていない。
本の搬入を待っている新図書館1階、2階にある自動出納書庫は、40万点の図書館資料が収納可能。この自動出納書架にある本がリクエストされ、出庫指示を行ってから5階の図書館受付まで約2~3分で届く。