平成22年10月20日(水)〜26日(火)の7日間 高崎商都博覧会

平成22年10月20日(水)〜26日(火)の7日間 高崎商都博覧会

スズラン高崎店・高崎高島屋・高崎ビブレ・高崎モントレー・ヤマダ電機LABI1高崎

共同販促キャンペーンで商都高崎の復権を目指す

 商都高崎の大型店5店がスクラムを組んで、「まちなか再生」と「高崎都心部への集客増大」という視点から、商店街やJRなどと連携し、『高崎商都博覧会』を開催する。『高崎商都博覧会』は、時にはライバルとしてしのぎを削ってきた大型店がお互い「競争」しつつ「連携」を図っていこうという画期的な出来事であり、全国でも珍しい試みである。大型店それぞれの代表者に、今回の取り組みに対する意見やイベントへの期待などを伺った。

 期間中は総額200万円の大抽選会や各店舗による独自イベントが行われ、まちなかでは「高崎マーチングフェスティバル」や「高崎花路花通り2010」、「高崎音楽祭」なども開催される。

 全国的に閉塞感がただよう今、今回の取り組みがどのような影響をもたらすのか各方面からも注目されている。

競争と連携の時代のスタート

 高崎市は四半世紀にわたり高崎駅西口の再開発や区画整理を進め、都心部の再生を図ってきました。そして、全国の地方都市で中心市街地の地盤沈下が進む中で、中心部に5つの大型店を擁しています。

 しかしながら、一昨年秋以来の世界的な経済・金融危機、消費者の意識の変化、郊外や近県のショッピングセンターの増加、都市間競争の激化、少子高齢化の進展、経済産業構造の変化、駐車場問題などさまざまな理由により、高崎中心部の集客力が低下しています。そして、高崎「まちなか」の魅力低下が懸念され、その活力の再生が大きな課題となっています。

 一方で、平成23年の北関東道全線開通、平成26年の北陸新幹線金沢延伸を視野に、関越道高崎スマートICの建設計画と、高崎駅東口の都市基盤整備が大きく動き出しています。スマートIC周辺地域、高崎駅東口地域は優れた交通拠点性と整った都市空間を有し、多様な業務展開の可能性を有する地域となることが期待されています。

 このような都市整備の進展と環境の変化に対応して、高崎中心部のさらなる活性化と、集客を増大させるための具体的な基本方針が必要となっています。

 「スズラン高崎店、高崎高島屋、高崎ビブレ、高崎モントレー、ヤマダ電機LABI1高崎」の大型店5店は、高崎「まちなか」の最大の商業核であり、高崎最大の集客施設でもあります。

 群馬県最大の集客施設であるJR高崎駅とならんで、商都高崎の中核的な集客施設である大型店5店が連携を図り、それぞれの店が持っている個性を活かし、その企業力を結集し、共同して高崎中心部「まちなか」への集客を増大させていくことが『高崎商都博覧会』の狙いです。

新しいスタイルの集客を可能にする絶好の機会

株式会社スズラン百貨店

取締役営業副本部長兼高崎店長 渋澤彰一氏

 私達は、数ある企画展の中で、1、2の売り上げを誇る「北海道展」を行います。今まで年2回行っていた企画展で、今年はそのうちの1回を博覧会の時期に合わせることにしました。この企画にしたのは、お客様の参加しやすさを考え、食の企画が良いだろうと思ったからです。地下食料品売り場のノウハウを生かし、クオリティの高い商品をたくさん揃えます。小樽の有名スイーツ店「LeTao(るたお)」の商品や、ラーメンの実演販売などが店頭に並ぶ予定です。旬を意識した、定番人気商品のアイテム数を充実させ集客を図りたいと思っています。

 キッチン雑貨も売れ筋になるのではないかと思います。夏に売り場を3倍にしたことがお客様の注意をひくのではないでしょうか。多くの人に足を運んでもらいたいですね。また、「エイコ・コンドウ」をはじめ、3ブランドが婦人服売場に新たにオープンしたばかりなので、こちらもPRできたらと思っています。  チラシは正月に準じた約20万部を配布予定です。しかし、新規顧客というよりも、既存のお客様に対し感謝の気持ちを表すイベントにしたいという考えが強いですね。当店は駅からも他4店舗からも離れており、不安要素が多く、博覧会で他店から当店に来てもらうのは難しいかなとも思っています。

 しかし、まちの繁栄に向けて老舗スズランがリードしなくてはならないという責任感は非常に感じています。そういう意味で今回の博覧会は非常に意義があると思います。高崎の商店街と一つになるのは、今までえびす講くらいしかありませんでした。今回の博覧会で、今、まちや人にどんな需要があるのかを、もう一度見極めるチャンスとなるでしょう。

高崎のイベントと一体感を出し、さらに集客アップ

株式会社高島屋

代表取締役社長 仲田勝彦氏

 商都博覧会は、高崎商工会議所の「高崎新都市創造推進委員会」の3つの部会の1つで検討されてきました。商工会議所の部会で、まちの活性化のため、高崎に不足している要素は何か、という議論を他4店舗とともに、約半年間行ってきました。コンベンション施設、無料駐車場、歩行者天国…駅周辺の活性化のために、足らないものは何か、盛んに意見が出る中で、まずは、大型店が協力して、イベントを行おうということになりました。結果的に5店舗一致で決定しました。商都博覧会が、市制110周年の記念事業やマーチングフェスティバルと時期を合わせて開催されることでより一層の効果を及ぼすと期待しています。

 高崎市・プルゼニ市姉妹都市提携20周年記念事業や「高崎花路花通り2010」の開催時期を合わせ、5階アートギャラリーでチェコ工芸展を開催します。また、当店が33周年を迎えるため、数字「33」にちなんだプライス商品も用意する予定です。そのほかにも、高崎物産展やお客様参加型イベントを企画しています。通常よりも広い商圏を考えて、企画を組んでいます。

 高崎は駅の開発が進み、図書館が整備され、スマートICが開設されます。行政が頑張っているのだから、今度は我々民間が頑張る番だと思います。私たちの使命は、群馬にメガブランドを引っ張ってくること。この秋、1階に、「バーバリー・ブルーレーベル」がオープンしますが、もっとインターナショナルブランドを出店させるためには、まちの活性化がないと実現しません。ですから、これからも継続的に、各大型店、市、商工会議所と協力して行こうと考えています。

自社の目標と同じ方向を向いたイベントに期待

株式会社マイカル

高崎ビブレ店長 鯉渕昇氏

 現代は、個店が戦うのが難しい時代。手を取り合って高崎の駅周辺を盛り上げるのは、非常に良いことですね。このイベントが決まったとき、強く参加を希望し、継続させたいと思いました。大型店が手を組み、イベントを行うことは、対大型ショッピングモール戦略としても有効ですし、新しく生まれ変わった高崎ビブレを知っていただく機会になるからです。というのは、今、高崎ビブレは衣料だけではなく、客層拡大を目指して文化的魅力を備えた店にしようと生まれ変わったところです。当店は、今年3月から、改装を行っています。5月には、6、7階に売り場面積620坪の「ジュンク堂書店」が、7月に5階にオープンした「アニメイト高崎」は、すでに高崎ビブレの中で1、2を争う人気店になっています。年内にも新テナントがオープンする予定です。今までは、ヤングファッションを強化していましたが、現在、ファッション店を重視しつつも専門店に立ち戻ろうとしています。新しい高崎ビブレは、ファッションを含めたカルチャー発信の場です。

 高崎ビブレを生まれ変わらせたのは、商圏を拡大したいというのが一番の理由です。今回の博覧会は商圏拡大には非常に有効なイベントだと思います。期間中、同店では地下1階でセールを開催し、個々のショップでも独自企画でノベルティや顧客優待セールを行う予定。70店舗の専門店のうち、最低でも50店舗は参加頂き、商圏拡大につなげたいと思っています。

 今回は、JRの協力で電車に中吊り広告をつるし、埼玉県から鉄道を利用し買い物に来るお客さんにもPRして頂けるそうです。今回に限らず、高崎駅周辺は駐車場問題を抱えているので、電車で来店できる商圏の顧客に対するPRは良いですね。大宮方面に流れて行ったお客さんを取り戻すきっかけにしたいです。

 駅前のデパートとして、常に新しい情報をお客様に提供したいと思っています。商都博覧会は、変わりつつある高崎ビブレを見ていただく絶好のチャンス。ぜひのぞきに来てほしいです。

商都博覧会が高崎駅の東西をつなぐきっかけに

高崎ターミナルビル株式会社

代表取締役社長 阿部純氏

 全国の駅ビルで、駅周辺の大型店が連携し、イベントを企画することで効果を出している都市があったので、今回のお話は非常に良いことだと思いました。秋田の駅ビルでは、周辺デパートと協力し、バーゲンを行った結果、前年比増の売上げとなったそうです。同社の傘下である熊谷駅の「アズ熊谷」でも、周辺の「ティアラ21」、「ニットーモール」と協力し、まちの活性化を図っているため、即座に賛成の手をあげました。

 高崎モントレーは、年2回行っている「ポイント10倍セール」をこの時期に合わせ行う予定です。各テナントもそれぞれ、企画を立て、参加を予定しています。

 また弊社は、8月に屋上を緑化し、憩いスペースと貸し菜園のある「グリーンガーデン」としてオープンさせました。ヒートアイランド現象対策だけでなく、新しいコミュニティースペースとしての機能も期待。博覧会では、「高崎花路花通り2010」との連続性を考慮し、ここでイベントをすることも考えています。

 今後、高崎モントレーは、駅東口の開発に伴いフロアを拡張する予定です。改札フロア東部には、今年12月にスイーツ、惣菜などの食品物販が、来年6月には駅東口1階に、コンビニやドラッグストア、フードコート、群馬全域の特産品販売コーナーをオープンする予定。特に1階のヤマダ電機前が長距離バスターミナルになることから、高速道路のサービスエリアの機能に準じた店舗構成にしたいと考えています。駅とショップが一体化したつくりにしたいので、今回の博覧会が駅の東西につながりを持たせる良いきっかけになると思います。交通網もまちも整備された北関東の中心地“高崎”としてふさわしい、高崎駅となるために、今回のイベントと弊社の役割が大きいと思っています。

自社スペースを博覧会のために開放

株式会社ヤマダ電機

取締役兼執行役員専務 桑野光正氏

 今回のような参加型のイベントは初めてです。弊社は、札幌、横浜、名古屋、福岡、前橋で家電フェアを行っていますが、単独での活動で、他社と共同で何かをすることは全くありませんでした。高崎駅周辺のイベントで、協賛金の出資を依頼されたことは何度もありましたが「一緒に汗を流してくれませんか」と言われたのは初めてでした。仲間として受け入れられたと感じ、正直、うれしかったですね。

 弊社は、もともとCSR活動(企業の社会的責任)には積極的で、本社を前橋市から高崎市に移転する際も、店舗にLABIゲート、アートギャラリー、ラビガーデン(屋外イベントスペース)などを設け、地域とのつながりを意識。その後も、地域のイベントに積極的にスペースを提供してきました。

 今回は、博覧会の時期に合わせて、LABIゲートで環境に関するパネル展示を行い、ラビジョンで博覧会のPRを、ラビガーデンでは、「高崎音楽祭」を行うことが決まっています。弊社と高崎市の協力で、市の歩みについてのパネル展示を行うことも検討中です。スタンプラリーや商品券での消費は、電化製品のほか、5階飲食フロアでも利用してもらうことを期待しています。

 大型店、市、商工会議所と、ここまで連携が取れるのは、普段から交流があったからだと思います。スマートIC、バスターミナルなど、今まで市と協力しながら高崎の開発を行い、大型店とは商工会議所の部会で何度も顔を合わせています。ですから、参加店舗のうち、弊社だけが東口にあっても、コミュニケーションがとれているので全く不安はなく、回遊性が増すきっかけになるのではないかという期待のほうが大きいです。

『高崎商都博覧会』の概要

■開催期間/平成22年10月20日(水)~26日(火)の7日間

■実施場所/高崎市中心部の大型店5店舗。高崎中心部を「商業と、まちなか文化」のテーマパークに見立て、このテーマパークに立地する5つの大型店を『高崎商都博覧会』のパビリオンとして位置づける。

◎各大型店による独自セールや催事の開催

 開催期間内において、大型店5店舗毎に開催する。

●スズラン高崎店:秋の大北海道展●高崎高島屋:チェコ工芸フェア・高崎物産展●高崎ビブレ:ブランドアウトレットセール&協賛セール●高崎モントレー:ポイント10倍セール(23日のみ)・協賛セール●ヤマダ電機LABI1高崎:協賛セール

◎高崎5店ぐるりんスタンプ

 10月23日(土)・24日(日)の両日、中心市街地の大型店5店舗にて、お買物をしていただいたお客様に感謝を込めて大抽選会を開催する。大型店5店舗の各店にて、1,000円以上(1枚のレシート)お買上げ毎に、購入先の店舗にて所定用紙のスタンプ欄に1個押印する。2店舗分の押印で1回抽選が出来る。また、3店舗の押印で2回、4店舗の押印で3回、5店舗の押印で4回と、買物した店舗数に応じて抽選の機会を増やすことで、商都高崎での買物をより楽しんでいただく。

抽選期間/10月23日(土)・24日(日)の両日

抽選時間/午前11時~午後7時

抽選場所/各大型店特設会場

景品/大型店5店舗共通商品券(総額200万円)

1等 50,000円分(5本) 2等 30,000円分(10本)

3等 10,000円分(25本)4等 5,000円分(30本)

5等 3,000円分(60本)6等 1,000円分(870本)

主催/高崎商工会議所、高崎商都博覧会実行委員会(スズラン高崎店、高崎高島屋、高崎ビブレ、高崎モントレー、ヤマダ電機LABI1高崎)

後援/高崎市、(株)ラジオ高崎

協力/東日本旅客鉄道(株)高崎支社、高崎商店街連盟

協賛/高崎マーチングフェスティバル協会、高崎花路花通り実行委員会、高崎音楽祭委員会、(財)高崎経済大学後援会

文責/菅田明則・新井重雄

高崎商工会議所『商工たかさき』2010年9月号

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