株式会社高新電気
(2008年10月)
タカシン電気
2階の電子パーツ売場
修理室で説明する平沢社長
“群馬の秋葉原”とも言われる電子パーツ部門を持つ
オーディオ機器、ホームシアター専門店
株式会社高新電気
本シリーズの第3回目は、第2回目に紹介した市内上大類町の「チャレンジャー音響(株)」にオーディオ部門は競合するが、電子パーツ類の販売とホームシアターをも手がけている市内南大類町の「タカシン電気」を紹介する。当所の広報委員会が注目したのは、同店の“電子パーツ販売部門”の存在であったが、オーディオ機器販売とホームシアター販売もやはり“筋金入り”である。
伊勢崎線を東に向かい、高崎メモリードを越えると、白い店舗が街道右側に見えてくる。店舗面積約330m2、駐車可能台数20台の比較的大きな店舗だ。今回も、当誌広報委員の根岸良司さん((株)トレンディ会長)との取材である。
●なぜ“電子パーツ部門”が?
ゆったりとした広さの店内を見ていると、現社長の平沢義雄さん(70)が「“修理室”がありますが見ますか?」と聞く。お願いすると1階店舗の奥に案内してくれた。「メーカーさんも驚きますよ!こうでないとサービス認定店の看板が泣きます」というが、私も驚いた。測定器などが天井まで積み上げられている。
この店は昭和42年に現社長が、市内中心部の砂賀町で無線・電子部品店を開店し、その後オーディオ店に変えた。現在の『タカシン電気』のルーツはどうやらこの修理室にあるようだ。平沢さんは、それまでオーディオ会社や電子機器会社の開発部門で働いていたエンジニアだった。「タンタルコンデンサーというものも開発しました」というが、聞いているほうは分からない。
●電子パーツ部門は県内の試作品開発企業を支えている
2階にあがると「電子パーツ売場」だ。小さな箱にさまざまな電子部品が収められている。
取材日にたまたま来店されていた甘楽町の電子機器製造会社の方は、「うちはスイッチ関連機器を特注品として製造しています。県内ではここの部品が性能が良いので、月に1回くらい来店しています。後はネット販売を利用しています」との答えだった。
電子パーツ部門の販売社員は、「販売しているパーツのアイテム数は数え切れません」それでも“恐怖の棚卸”作業は行います。一週間くらいかかりますね。
パーツ単価は10円からあります。組み立てられたスイッチング電源などは高価なものもあります。コネクター類が一番回転は速いですね。県内の工業高校・群馬高専・群大工学部の先生等もお見えになります。原研は来店よりも電話でたくさん注文をいただきますが、主力としては県内の電子部品製造メーカーです。試作品開発に使用するのでしょうね」と説明してくれた。
さらに「現在では県内のパーツ販売店は4店ですが、他の販売店さんは、現金取引・店頭販売のみが多いのです。当店では掛売りも行っています。お客さんからの要望・注文は非常に多くそれを仕入れにつなげています。とにかく企業さんの試作用部品が多い。渋川市から高速道路で350円の部品を買いにきたりします」と、まさに県内の企業からは無いと困る存在なのだ。
●オーディオの他に「ホームシアター」も
タカシン電気は北関東でも歴史のある“オーディオ専門店”として知られてはいるが、近年「ホームシアター」にも力を入れている。その販売を担うのは息子で常務の平沢靖章さん(37)。
靖章さんは、“ホームシアター”と“リビングシアター”は別のものという。「リビングシアターはテレビ中心で、いくら大きなテレビでもシアターとは違い、ホームシアターは暗い部屋でプロジェクターを使って投影する」ですから部屋の仕掛けから考えなければなりません。どんなに良い液晶テレビを使用しても周りが見えてしまう。
これから家を新築する若い方で、100万円くらいの予算でホームシアターを望まれる方が増えています。部屋の色、スピーカーなどとの組み合わせ、配置などを家の図面を持って相談に来店されます」と、違うメーカーの機器を、家とのマッチングを考えながら、いかにベストな形を探し出すかが大事だと強調していた。このシアター部門は、タカシン電気の中でも伸びが大きな部門になっている。また、オーディオコーナーの製品は全て聴き比べができ、好みの音が探し易いのもこの店の特徴の一つだ。
無線機やオーディオを販売・修理をしながら出発した『タカシン電気』だが、3つの部門がそれぞれのニーズを掘り起こし、地域企業と市民から指示を受けて、無くてはならない専門店に成長した。
株式会社高新電気
所 在 地:高崎市南大類町1044-3
営業時間:AM9:30~PM8:00
定 休 日:木曜日
電 話:027-352-2222(代)
パーツ部:027-352-1630
高崎商工会議所『商工たかさき』2008年10月号