オーダーメードの特殊車両メーカー

株式会社ライブリー

(2012年4月)

顧客のニーズに合わせ車両を設計・製作する

ニッチ戦略で生き残る

 株式会社ライブリーは、高所作業車、工作車など特殊車両のメーカーとして独自のマーケットを開拓している。

 特殊車両は、全国展開する大手数社が圧倒的なシェアを持つ分野だが、同社では大手メーカーの手がまわらないオーダーメード仕様に特化した車両製作を行なっている。特殊車両は、トラックなどの車両をベースに、クレーンなど「架装」を荷台部分に搭載する。外形や構造・重量などの規格は法律で定められており、製造にあたっては専門的な知識が必要となる。

 特殊車両は用途が専門的で、架装は客先によって様々な要望がある。車両の機能は、現場作業の安全性や効率性に直接関わるので、大手メーカーでは対応できない要望を実現できるのが同社の強みだ。藤野社長は「合理化で大手メーカーが製造する車種が減少し、ユーザーが求める仕様の車がカタログから消えてきていることも一因」と需要の背景を分析する。

自社開発した「多機能運搬車」

顧客の不便を解決し技術を開発

 会社設立間もない頃の顧客開拓は容易ではなかったが、設計、開発、保守・点検など、技術・サービスには強い自信を持ち、信念は燃え続けた。徐々に仕事が増え、技術スタッフも増員し、3年を要して軌道に乗せた。

 一昨年から1年をかけて自社開発した「多機能運搬車」は資機材の収納運搬に長けている他、鋼線の収納や梯子の自動格納機能なども備える。大手配電工事会社に評価され、今年量産納入が決まった。

 設計・開発を担当する佐藤専務は「顧客が不便だと困っている課題を発想と技術で解決し、開発につなげていく」と話す。この製品に使った技術を現在、特許申請しており「中小企業は技術武装していくことが生き残りにつながる」と知的所有権取得にも力を入れている。

藤野さん

経営方針は「SUN」

 ライブリーの経営方針は、Speed(スピーディな提供)、Unique(独自性)、Niche(すき間市場・製品に挑戦)の頭文字を取って「SUN」。

 2年がかりで準備した中古特殊車両の海外輸出も今期に事業化し、新たな一歩も踏み出した。同社の事業構想は、更に広がる。「顧客のこんな車があったらを形にして行きます」と藤野社長、佐藤専務は笑顔を見せる。

株式会社ライブリー

代表取締役:藤野守
群馬県高崎市下佐野町245-2
TEL:027-384-3633
http://www.lively-co.com/

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