ドイツ生まれのシュトーレン
(2020年12月31日)
クリスマス時季のドイツ菓子
クリスマスの季節だけの特別な菓子パン「シュトーレン」。イエス・キリストの誕生を祝ってクリスマスの時季に食べるドイツ発祥の伝統的な菓子パン・シュトーレン。
中力粉を用いた歯応えのあるパン生地に、ドライフルーツの洋酒漬けやナッツなどをふんだんに練り込み低温でじっくり焼き上げる。水分を飛ばして硬く仕上げる製法により常温でも1か月以上は日持ちするのが特徴で、クリスマスまでの約4週間毎日一切れずつ食べるのが習わしだ。純白の粉砂糖に覆われたその外観は、おくるみに包まれた幼子イエスの姿に由来していると伝えられている。
日本ではまだまだ馴染みの薄いシュトーレンだが、高崎じまんでも昨年からクリスマスを彩る商品ラインナップの一つに仲間入りしている。手がけるのは、長年地元の小中学校給食にパンを納入してきた群馬フードサービスだ。奇をてらわない「懐かしの給食パン」をコンセプトに掲げ、群馬名物バンズパンをはじめチョココロネやカレーパンといった昔ながらの味が、地元民の間で根強い人気を集めている。
クリスマスのシュトーレンを親しんでもらいたい
一級パン職人が1本1本心を込めて仕上げているというシュトーレン。「生地にはオレンジピール、レーズン、チェリー、パイン、レモンピールのドライフルーツと、クルミをぎっしり詰め込みました」と開発に携わった萩原武史さんは話す。
ドイツではシナモンやナツメグなどのスパイスを利かせたものが一般的だが、同社では日本人の食文化を意識して優しい味わいを追求。スパイスの使用を控える代わりにラム酒の甘くて芳醇な香りを際立たせ、幅広い世代が親しみやすいように仕上げているのもこだわりだ。
「近年は日本でもハロウィンが浸透しつつあるので、次は『クリスマスにはシュトーレン』という新しい文化が根付いてくれたら嬉しい」と萩原さん。フルーツもナッツもぎっしり詰まった贅沢なおいしさを毎日少しずつ味わう。小さな幸せを積み重ねながら、もうじき訪れるクリスマスまでの日々を過ごしてみては。
群馬フードサービス株式会社
高崎市大八木町984-6
TEL.027-361-4565