百花蜜
(2020年05月31日)
滋養豊富でコクがある高崎育ちのハチミツ
二ホンミツバチならでは
風味豊かでコクのある「百花蜜」
古来より免疫力を高める滋養食として重宝されてきたハチミツ。なかでも日本の野生種である二ホンミツバチのハチミツは、複数の花や樹木の蜜がブレンドされた「百花蜜」であり、栄養豊富で希少性が高い。
明治時代に家畜として輸入され広まったセイヨウミツバチは行動範囲が広く、一度に多くの蜜を集められるため頻繁に収穫が可能だが、二ホンミツバチは身体が小さく行動範囲も狭いため、収穫は年に1度と限られるからだ。
その分、長期間巣のなかで熟成された「百花蜜」は、味も香りも深みを増した濃厚な味わいで人気が高い。高崎市下佐野町で養蜂を営む松田正興さんも、その魅力に引き寄せられた一人だ。
松田さんの『日本蜂蜜』は、希少な二ホンミツバチが採取するハチミツを自然のままで届けている点がいちばんのこだわりだ。
採蜜の際には、巣を壊しすぎないよう自作の圧搾機でやさしくプレスしながら3日間かけて蜜を落とし、布などで花粉や不純物をろ過するのみ。熱処理や加糖などの加工は一切施さないため、栄養素や酵素が失われず、本来の滋養味たっぷりのおいしさを保っているのだ。
四季折々の花が咲く美しい環境で育まれた蜜の味
養蜂を始めたきっかけには、身体の弱い友人の存在があったと松田さんは明かす。
「病弱だった親友が医者に『身体にいいから』と二ホンミツバチのハチミツを勧められ、それ以来ずいぶん具合がよくなったと聞きました。『それならやってみようか』と、10年ほど前から自宅の庭で飼い始めたのがきっかけです」と話す。
今となっては朝も夕も暇さえあれば巣箱のところへ様子を見に行き、ミツバチたちと会話するのが日課となっているという。
春はサクラやツツジ、アカシア、クリ、キンカン、夏ミカン、菜の花、夏から秋にかけてはビービーツリーやクズ、ソバ、セイタカアワダチソウ、冬にはサザンカやツバキなど、松田さんの庭には四季折々の花が咲く。また家の前を流れる烏川や周囲の里山など、豊かな自然のなかで集められたハチミツは、一口食べればミツバチとの会話を楽しむ松田さんの笑顔が目に浮かぶようだ。
高崎オーパ1階「高崎じまん」で販売
高崎商工会議所『商工たかさき』2020年5月号