ラジオ高崎が新しくなった!

平成9年の開局以来 過去最大の番組改編

朝7時から夜7時まで全番組を生放送

 この春3月31日から、ラジオ高崎は平成9年の開局以来最大規模の番組改編を行った。高崎駅新幹線改札口のサテライトスタジオをフル活用して、朝7時から夜7時までほぼ終日の生放送化を実現した。また、放送と連動したインターネット新聞である「高崎新聞」の内容を充実させるなど、放送とインターネットの一体化にも本腰を入れ始めている。今回はこのラジオ高崎の新たな動きを紹介する。



「商工たかさき」 2014/5号より

●高崎駅のサテライトスタジオを最大限に活用

 県内最大の集客施設である高崎駅構内という一等地にあるサテライトスタジオを最大限に活用することが、ラジオ高崎の大きな課題であった。これまでラジオ高崎では、平日の午後4時〜7時の情報ワイド番組「エアプレイス」と土曜・日曜の一部番組を高崎駅のサテライトスタジオから放送し、それ以外は本社スタジオにて放送していた。
 サテライトスタジオから放送をする場合、災害や緊急時の事故等に備えて本社スタジオにも人員を配置する必要があり、これまでは体制が整っていなかったためにサテライトスタジオの利用時間を限定せざるを得なかった。また、サテライトスタジオが空いていることはマイナスイメージにもなっていた。
 ラジオ高崎では約2年間の準備期間を経て、3月31日から朝7時から夜7時までの12時間、ラジオ高崎の全番組が高崎駅サテライトスタジオから生放送されることになった。

●新番組でラジオ高崎らしさを表現

 今春から新しく始まった番組は、高崎観光協会とタイアップした「Lucky Town高崎」と、高崎の各地域の情報を日替わりで届ける「Afternoon Trip」。どちらも月曜日から金曜日の午後に放送する帯番組で、これまでラジオ高崎の弱点となっていた昼下がりの時間帯が大幅に強化された。
 「Lucky Town高崎」は、同名のスマートフォン向けのまちなか情報サイトとコラボレーション。昨年秋から同名の番組は週1回放送していたが、今回、全面リニューアルし、毎日の放送となった。食べる、遊ぶ、学ぶ、持ち帰る(土産)等をキーワードに、高崎市街地の魅力を紹介している。
 「Afternoon Trip」は、これまで取り上げる機会の少なかった倉渕、榛名、箕郷、群馬、吉井、新町にスポットを当て、イベントや名物を紹介し、各地域を身近に感じ、実際に行ってみたくなる情報番組となっている。
 「朝ラジ」(午前7時から10時)と「Air Place」(午後5時から6時55分)は、朝夕の「顔」として続投。午前10時から正午までの枠には、開局時に好評だった田野内明美アナウンサーのゆったりとしたトークと洗練された音楽を中心とした番組を復活させている。
 常に聞いている人を意識し、役に立つ情報の提供、暮らしを彩る話題や音楽の提供を心掛けていきたい」と話している。

●放送とインターネットの複合メディアをめざす

 放送の充実とともにラジオ高崎では、インターネットによる情報発信を強化するメディア戦略に取り組んでいる。高崎観光協会と連携したスマートフォン向け情報サイト「Lucky Town高崎」を開設し、高崎の「まちなか」情報を提供し、この情報サイトの番組も放送している。
 また、ラジオ高崎が運営するインターネット新聞「高崎新聞」は、高崎のまちづくりを伝えるニュースサイトとして注目されている。この「高崎新聞」と連動した番組「週刊高崎新聞」(毎週土曜日朝8時から10時)も放送されている。地域ジャーナリズムを独自に持っているコミュニティ局は他にはない。さらに、インターネットによる番組配信によってスマートフォンでラジオ高崎を聞くことができるので、聴取者は全国、世界に広がっている。
 このようにラジオ高崎は、音声による放送と文字によるインターネット情報を一体化し、「ラジオ高崎で高崎の全でがわかる」ことをめざしている。

●高崎の都市づくりと一体化したラジオ高崎の役割

 ラジオ高崎は、生放送の時間帯が12時間に拡大することで、災害が発生した場合にすばやく情報提供できるなど、リアルタイムに伝達する体制が整った。防災情報の発信はラジオ高崎の最優先事項で、東日本大震災や今年2月の大雪の際には、緊急放送体制で情報の収集と伝達を行なっている。
 ラジオ高崎は、これまで以上にきめ細かく高崎の情報を収集し、市民が番組に出演する機会やインタビューが増えている。まちやお店、企業の魅力や最新の動きが放送を通じて熱く伝わってくる。
 こうした親近感を感じる放送局である一方、高崎の都市力や存在感の高まりによって、高崎で情報発信することの意義が認識され始めている。ラジオ高崎の放送を通じて情報やメッセージや音楽を伝えたいという需要が増えている。
 ストリートミュージシャンが高崎駅周辺に集まっているように、音楽やファッション、イベント、文化など高崎の求心力は、都市の情報発信力と一体になっている。高崎が県下最大の人口と集客力を持っていることへの期待も大きい。高崎駅東口の都市集客施設や高崎文化芸術センター、高崎駅西口の新体育館やイオンの建設によって高崎都心部の交流人口が増大すれば、高崎から情報発信する意味がさらに高まる。