シネマテークで核被害のドキュメント上映
(2015年10月2日)
3日に監督あいさつも。「わたしの、終わらない旅」
10月3日(土)から9日(金)まで1週間、原子力利用の二面性について考えさせるドキュメント「わたしの、終わらない旅」がシネマテークたかさきで上映される。上映時間は午前11時からで、初日の3日(土)は坂田雅子監督の舞台挨拶が行われる。入場の予約不要。
坂田監督の母静子さんは、70年代初頭から、核の恐ろしさを一人で訴え、駅前で手作りのミニコミを配り、反原発運動を続けてきた。静子さんは1998年に逝去し、遺志によってミニコミが一冊にまとめられた。福島第一原発事故後、坂田監督は、静子さんのメッセージをあらためて読み返し、「真実を伝えたい」と本作の製作を決意したという。
坂田監督は、カメラと母が残した放射線測定器を持って、取材の旅に出発した。1954年のアメリカが水爆実験を行ったマーシャル諸島のビキニ環礁の島々で暮らす人たち、被爆した第五福竜丸の船員、再処理施設のあるフランス、ラ・アーグの人たち、旧ソ連の核実験が繰り返されたカザフスタン。困難な状況を乗り越えて撮影した場所もあった。携行した母の放射線測定器が、時には振り切れるほどの値を示した。3年をかけた取材の旅の中で、坂田監督は、福島第一原発による自分たちの未来を探った。それは、40年前の母の予言の正しさ示すものでもあったという。
この作品は、核の被害の記録であり、人々の苦しみは今なお続き、そしてその苦しみは私たちへ、未来へとつながっていることを伝える。坂田監督は「旅はまだ終わっていない」と語る。
坂田監督はみなかみ町在住。2007年作品の「花はどこへ行った」、ベトナム戦争での枯葉剤被害を取材した。
「わたしの、終わらない旅」の上映時間は1時間18分。観覧料は一般当日1700円、大学生1400円、高校生以下・60歳以上1000円。
問い合わせはシネマテークたかさき、電話027・325・1744.