加藤登紀子さんが「かまち」を歌う
(2017年07月4日)
高崎音楽祭でCD発売
歌手の加藤登紀子さんが山田かまちの詩に作曲した新曲「生きる」を、高崎音楽祭がCD化することが決まり、制作発表記者会見が3日に高崎市文化会館で行われた。この曲は作曲家の千住明さんがオーケストラ用に編曲し、群馬交響楽団の演奏にのせ、加藤さんが歌いあげる。高崎ならでのコラボレーションを高崎音楽祭が実現させた。記者会見には、かまちの母・山田千鶴子さん、加藤さん、千住さんが登壇した。
- かまちの詩に加藤さんが感動
昭和52年8月、倉賀野町の自宅でエレキギターの練習中に感電事故のため17歳で亡くなった山田かまち。今年はかまちが亡くなってから40年となる。
かまちは幼い頃から感性が豊かで、彼がスケッチブックやノートに残した数多くの作品は若者に感動を与え、現在、高崎市山田かまち美術館に収蔵・展示されている。かまちはロックが好きで、高崎が生んだ伝説のロックバンドBOOWYのメンバー、氷室京介松井常松と同じ地元の仲の良い同級生だった。
昨年、コンサートのプロモーションで高崎を訪れた加藤登紀子さんは、山田かまち美術館に立ち寄り、かまちの作品に魅せられたという。
加藤さんは、かまちの作品の中でも詩「生きる」に強く感銘し、わずか一週間で曲をつけ、デモテープを制作した。今年の高崎音楽祭のメイン公演の一つとして、加藤さんと群響の共演コンサートが9月10日に行われ、この「生きる」が初演される。高崎音楽祭は、9月10日の公演にあわせ、多くの人にこの曲を聞いてもらおうと、CD化して発売することを決めた。3日の記者会見後、加藤さん、千住さん、ピアニスト鬼武みゆきさん、群響によるレコーディングが高崎市文化会館で行われた。
- かまちの夢を加藤さんが実現
加藤さんは「この詩は、自分らしく生きようとしたかまちのメッセージ。若者が自分の体にあふれるものを体現し、10代を燃焼してほしい。かまちと対峙している気持ちで歌い、世代をつなぐ曲にしたい」と話し、この曲を高崎の中高生らに歌ってほしいと願っている。編曲した千住さんは、かまちと同じ年に生まれ「かまちと同じロック少年だった。同じ年代同士として、私も40年をかけて修行をし、音楽のみやこ高崎に呼び戻されたと運命を感じる」と、かまちと自分の人生を重ね合わせて共鳴している。
かまちの母の千鶴子さんは「感無量です。かまちは絵描きやミュージシャンになりたかったので、亡くなった40周年の年に実現でき感謝したい。かまちが照れて笑っている姿が見えるようだ」と胸をつまらせた。
高崎音楽祭「群馬交響楽団・加藤登紀子 百万本のバラコンサート」は平成29年9月10日、群馬音楽センターで午後4時開演。大友直人指揮。チケットは6500円(税込)。CD「生きる」も9月10日発売予定で価格は未定。
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