30年続けるサケの稚魚放流

(2017年03月6日)


命と自然を愛する心を

 4日に和田橋に隣接した烏川緑地「親水公園」でサケの稚魚放流が行われた。この放流事業は、高崎青年会議所が主唱し、今年で30回目。昨年12月に、サケの卵6万粒を幼稚園や保育所、学校、市民に配布し、子どもたちが約3カ月間、愛情を込めて稚魚を育てた。
 家族連れを中心に約1400人が参加し、子どもたちは「元気でね」、「帰ってきてね」と稚魚に声をかけ、バケツや水槽から烏川に放流していた。放流した子どもたちは烏川の流れに泳ぐ稚魚を見つめて別れを惜しみ、写真に収める家族も多かった。子どもたちの放流に合わせ、群馬県水産試験場により3千匹の稚魚が放流された。
 高崎青年会議所の富澤太郎理事長は「今年の放流は、サケの稚魚が子どもたちの手を離れ、これから育っていく卒業式という意義を込めた。子どもたちに人生や命を身近に考える機会になってくれればうれしい」と話している。
 30年間の積み重ねにより、利根川水系にはたくさんのサケの遡上が確認され、烏川でもサケの姿が見られるようになっている。全市を上げてサケの稚魚を育てる取り組みは全国的にも少なく、高崎の自然を愛し、命を大切にする心が親子2世代、3世代にわたって継承されている。

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