コンベンション施設31年度完成めざす
(2015年08月28日)
基本計画改訂版公表
群馬県は、高崎競馬場跡地のコンベンション施設整備について、これまでの議論や検討を盛り込んだ基本計画の改訂行い、改訂版原案をこのほど公表した。改訂した基本計画案では、平成29年度着工、31年度中の完成、32年度のオープンの予定が示された。
高崎競馬が平成16年12月に廃止された後、群馬県は、跡地利用の方向性を検討していたが、平成24年5月に高崎競馬場跡地にコンベンション施設を整備する方針を定め、平成25年3月に施設の基本コンセプト、施設の内容や規模などを取りまとめた「コンベンション施設整備基本計画」を策定した。
高崎市が同年4月に発表した都市集客施設基本計画に、当初、コンベンション機能が含まれていたが、群馬県と高崎市の協議により、コンベンション機能を県施設とし、高崎市の都市集客施設の基本計画を変更した経緯がある。
県は、基本計画の発表後、詳細な需要調査を改めて実施し、施設整備について、県議会でも白熱した議論が行われた。見本市や学術会議など、コンベンションに直接関係する経済界や学界、県民との意見交換も行われた。
産業界や識者で構成する「群馬県コンベンション推進協議会」が今年2月に、施設規模は第一段階として1万㎡とする、2020年の東京オリンピックまでに開館させることが望ましいなどの意見を提言したことで、コンベンション施設の大枠が決まったと言える。県民のコンセンサスについては、今年7月の県知事選で、大澤正明知事はコンベンション建設を公約の中に掲げて三選を果たし、民意の支持を得るかたちとなった。
計画改訂版(案)では、コンベンション施設は、交通の要衝で高崎市の利便性を生かし、群馬県の交流人口を増大させる社会インフラとし、高崎市の新体育館や高崎文化芸術センターとの相互連携を視野に入れている。また、防災拠点しての機能も有する。
施設規模は、需要調査と競馬場跡地内に二本の水路がある制約等を踏まえ、核となる多目的展示施設は1万㎡で、最終目標として2万㎡を示した。会議施設では1千人規模のメインホールの他、大中小の3会議室、駐車場は2千台。概算事業費は約280億円。運営収支は年間収入額約5億600万円、支出額約4億1200万円で9400万円の黒字を試算。
催事には、展示会・見本市や学術会議に加えて大規模コンサートなども含み、これまで群馬県で開催できなかったイベント需要を創出する。
年間来場者は96万7千人、経済効果は、直接効果が82億5700万円、間接効果が45億2200万円で、合計127億7900万円を試算。
整備手法は、当初案では民間活力を導入したPFI方式も検討されていたが、改訂案では設計、建設など段階ごとに群馬県が事業者に発注する従来型の整備方式とされた。
コンベンション誘致の主体となる組織、いわゆるコンベンションビューローについては、平成26年9月に市町村や観光協会と連携した協議会を設置しており、体制づくりに取り組んでいる。
県では、この改訂原案についてパブリックコメントを平成27年8月28日(金)から平成27年9月26日(土)まで募集している。
詳細は群馬県ホームページ。基本計画改訂版(案)全文もダウンロードできる。