教育委員長と教育長を一本化

(2016年09月13日)

最後の教育委員長は5日間在職に

 教育委員長と教育長を一本化した新教育長の設置などを含む新教育委員会制度へ、高崎市教育委員会は今年の10月に移行することになっている。
 新教育委員会制度は、平成27年4月の法改正によるもので、高崎市では、経過措置により、現教育長の任期満了となる平成28年10月5日まで旧制度を継続し、その翌日から新制度に移行する予定。
 教制度のきっかけは、平成23年に滋賀県大津市でおきた中学生のいじめ自殺事件で、事後対応に不手際を重ねた教育委員会が社会的批判を受けるとともに、大津市長も同市教育委員会を厳しく批判した。教育委員会は、教育委員長と教育長の二人の長がおり、どちらが責任者なのかわかりにくい、いじめのような緊急性の高い事案に迅速に対応できないなどの点が指摘され、市長と教育委員会の関係も見直された。
 教育委員会の委員は市議会の同意を得て有識者5人が任命されており、その中から教育委員長が選任され、教育委員会により教育長が任命される。
 新教育委員会制度では、わかりにくかった教育委員長と教育長の一本化をはかるとともに、総合教育会議の設置、教育大綱の策定が大きな柱となっている。高崎市では既に総合教育会議の設置、教育大綱の策定は既に実施している。
 新教育委員会制度の教育長は、市長が市議会の同意を得て任命する。これまでは教育委員会により教育長が任命されていたので、教育委員会に対する市長の権限が強化されることになる。一方、教育長の任命に市議会の同意が必要となるので、議会の役割も同時に重要となる。現実的には、高崎市はこれまで、教育長の任命については市長の意向が強く働いていたので、任命の手続きが変わっただけとも言えるが、市議会の同意という大きな関所が設けられた。
 高崎市の場合、教育委員長の任期が9月30日までなので、10月1日から新しい教育委員長が選任され、新制度に移行する10月6日までの間だけ在任するかたちとなりそうだ。
 高崎市議会一般質問で丸山覚議員の質問に答え、飯野教育長は、新しい教育委員会制度ついて、「法律に基づいて制度を作ればよいとか、作ればうまくいくという考え方は禁物だと思っている。そこに魂を入れる必要がある。魂を入れる役割を果たすのが、教育委員ではないかと思う。高崎市の教育委員は見識が高く、使命感が強い方ばかりである。新教育委員会制度発足前から富岡市長と緊密な連携をとり、様々な施策が展開されている。
 いじめ問題、スクールソシャルワーカー、学力アップ推進事業、休日学習ステーション、学校施設の耐震化100%、普通教室へのエアコン設置、ALTの全校配置などの事業は教育委員会単独でできるものではない。子ども達や市民の目線の教育行政をこれからも行っていきたい」と所感を述べた。

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