月岡芳年「新形三十六怪撰」展
(2019年07月30日)
妖怪画でヒヤリとする真夏の歴博
幕末から明治前期に活躍し、“最後の浮世絵師”“血まみれ芳年”とよばれた鬼才・月岡芳年が晩年に力を注いだ妖怪画の連作「新形三十六怪撰」を一挙公開する展示が県立歴史博物館で開催中だ。妖怪や幽霊の登場する故事や伝説をモチーフに、不気味ながら美しい狂気の世界が描かれた作品たち。どことなく背筋がヒヤリとする雰囲気のなか、日本ならではの夏の涼を感じながら展示を堪能してほしい。
12歳で当代一の人気絵師・歌川国芳の門に入った月岡芳年は、美人絵・武者絵・歴史画・役者絵・風俗画・風景画と多種多様な作品を手掛け独特の画風を見せた。特に、『無残絵』とよばれた血みどろの凄惨な作品は、狂気と戦慄の中に垣間見える美と快楽を描き、世に衝撃を放ち芥川龍之介や谷崎潤一郎、三島由紀夫、江戸川乱歩などのちの時代の文人たちにも愛され影響を与えた。
晩年は神経を病みながら創作を続け、遺作となったこの「新形三十六怪撰」の中には芳年が見た幻覚を描写したものもあると言われるなど、鬼気迫る怪しい美しさの集大成を見ることができる。今回の展示では、「新形三十六怪撰」一挙公開ともにそれぞれの作品の主題となった歴史や小説、芝居などの怪奇物語についても詳しく紹介する。
会場:群馬県立歴史博物館
会期:2019年7月6日(土)~9月1日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日※8/12は開館
観覧料:[一般]300円[大学・高校生]150円
※20名以上の団体は割引料金
※中学生以下無料
※障がい者手帳などをお持ちの人とその介護者1人は無料
問合せ:TEL.027-346-5522
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