中小経営者は生涯現役!?

(2018年12月30日)

高崎信用金庫、信金中金資料より作成

たかしん調査

高齢社会となり、定年の年齢引き上げや再雇用などシニア世代の人材活用が労働力人口減少の方策として取り組まれている。

企業経営者や役員では、シニア世代がかくしゃくとして陣頭指揮をとっている企業も多い。高崎信用金庫と信金中央金庫が2018年夏に実施した調査で、多くの中小企業経営者が「健康が続く限り生涯現役」と回答していることが示された。

現実に即して見ると、中小企業の経営者は替えがきかずに後継者問題にも直面した回答と言えるのではないだろうか。

 

平均寿命も延び、「人生100年時代」とも言われるようになったが、中小企業のトップは、何歳くらいまでが目途なのだろうか。高崎信用金庫は市内中小企業499社を対象に「中小企業経営者と人生100年時代」について調査を実施した。信金中央金庫が全国の結果をまとめている。

 

高崎の中小経営者は50代が最多、全国平均を上回る

経営者の年齢層は20代・30代が5・5%(信金中央金庫による全国値3・0%)、40代22・0%(全国16・2%)、50代28・1%(全国25・7%)、60代24・8%(全国32・9%)、70代以上19・4%(全国22・2%)。

全国では60代が最も多いのに高崎では50代が最も多く、20代から40代の比率も全国より高崎は高くなっている。高崎の中小経営者は、全国平均よりも若いと言えそうだ。

 

3割が事業拡大、4割が現状維持

十年後の経営展望について、信金中金のまとめでは、経営者の年齢が若いほど、「事業拡大」の回答が多く、年齢が上がるにつれて「事業縮小」や「廃業・譲渡」の回答が多くなる傾向が示されている。

10年先の自社について、高崎の経営者の回答は「経営拡大」が31・3%(全国27・1%)、「現状維持・横ばい」44・6%(全国49・4%)、「事業縮小」3・6%(全国6・7%)、「廃業・譲渡」5・9%(全国4・3%)となっている。

経営者の年齢を反映してか、「経営拡大」に取り組んでいる経営者の比率が全国値よりも多い。一方、廃業等を考えている経営者が全国値よりも多いことが浮かび上がった。

 

引退時期「めどがない」6割

信金中金のまとめでは、経営者が現役を続ける年齢は「めどがある」が38.2%、「めどがない」が61・8%で、後継者に託せるまで現役、健康が続く限り現役という経営者が多いことが示されている。

「めどがある」という回答では、60歳未満0・8%(全国1・4%)、60代前半5・9%(全国4・5%)、60代後半11・7%(全国12・0%)、70代前半16・4%(12・6%)、70代後半6・9%(全国6・0%)80歳以上2・4%(全国1・7%)で、70代前半までが高い。

「めどがない」という回答では「後継者に託せるまで現役」24・8%(全国27・5%)、「健康が続く限り現役」22・0%(全国23・3%)、「まったく考えていない」6・9%(全国9・2%)などとなっている。

 

引退後は趣味娯楽

現役を退いた後の生活イメージについて、複数回答で、引退後は「趣味や娯楽」が49・7%、「家族との時間を過ごす」37・4%、「ボランティア・社会貢献活動」15・6%、「なにもせずにゆっくりすごす」7・5%など。「その時に考える・今は何も考えていない」25・1%。

「引退しない」8・7%、「現役を退いても会社に関わりたい」14・7%などもあった。

果たして中小企業経営者がゆったりと引退後の生活を楽しむ日は・・・

 

 

 

 

 

 

 

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