脱原発のドイツを取材 ドキュメント「モルゲン、明日」
(2018年11月25日)
シネマテークで上映中
国全体を脱原発へと動かしたドイツを取材したドキュメント映画「モルゲン、明日」がシネマテークたかさきで上映されている。監督はみなかみ在住の坂田雅子監督。
福島第一原発事故の3カ月後、ドイツのメルケル首相は「日本のようなハイテク国でも原子力を制御できないことを我々に認識させた」と脱原発宣言を行った。ドイツの原発は、2022年までに全て閉鎖される。その時、ドイツのエネルギーはどうなるのか。化石燃料から自然エネルギーへの転換がめざされている。
坂田監督は「日本では福島第一原発事故の収束もみないまま、原発の再稼働が始まっている。ドイツと日本の違いは何か。ドイツでなぜ脱原発ができるのか知りたかった」とドイツでの取材を始めた。
坂田監督は、「ドイツ人は、第二次世界大戦におけるナチスの独裁政治の過ちに真摯に向き合って戦後を生きた。政府や権威に対して批判的な精神を持っている、自分たちのことは自分たち考えて決めていく精神が、脱原発の力になっている」と気付いた。坂田監督は「敗戦から技術国として発展を遂げてきた日本とドイツの共通点と違いは何か。原発を止められる国と止められない国の違いは何か」と問いかけ、長く脱原発やエネルギー転換に取り組んできたドイツ市民の決意と努力を追いかけた。脱原発運動を出発点に再生可能エネルギープラントを実用化し、CO2削減をめざすドイツ各地域のローカルな取り組みを浮かび上がらせている。
また、坂田監督は、次世代に問題を押し付けるかのような深刻な放射性廃棄物の問題にも、カメラを向けている。
坂田監督は2014年に前作「わたしの、終わらない旅」で核や原発問題に取り組んだ。シネマテークたかさきでの上映初日となった11月24日(土)には、坂田監督の舞台挨拶行われ、満席となって関心を高めた。
上映一日1回で午前10時45分から12時04分。11月30日まで。料金は一般1700円、大学・専門学生1400円、高校生以下・シニアなど1000円。
問い合わせはシネマテークたかさき、電話027-325-1744。
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