駅前の大型ディスプレイを活用
(2018年09月30日)
ひょっとしたら全国屈指 !?
高崎駅周辺には、高崎駅西口の高崎オーパ、高崎駅東口のヤマダ電機、高崎駅コンコースに大型ディスプレイが設置されており、都内や政令市などの拠点駅前と比べても、遜色ないレベルとなっている。
高崎市はこの大型ディスプレイを商店街や市民公益活動の情報発信に役立ててもらおうと映像制作の支援制度を創設した。
屋外常設の大型ディスプレイは意外に少ない
多くの人が行き交う駅や商業施設に大型ディスプレイを設置し、CMやエンターテインメントなどのビデオ映像を流す広告手法を都内などで頻繁に見かけるようになった。渋谷駅前には4台の大型ディスプレイが商業ビルの壁面に設置されている。4台が連動した映像は迫力いっぱいで、通行者に対する訴求力が高い。渋谷駅前の印象が強いので、大都市の駅前は、どこでも大型ディスプレイが並んでいるような気がするが、実は意外に少ない。
高崎駅と駅東西の大型ディスプレイを見慣れてしまっているので、高崎市民には大型ディスプレイが珍しくなくなってしまっているかもしれないが、政令市の拠点駅でも、高崎と同規模の大型ディスプレイが設置されているところはあまりない。
高崎駅周辺で急速に高まる広域集客
高崎駅の乗車人員は増加傾向が続いており、2017年は一日平均3万1、012人と、3万人を突破。また高崎駅西口の高崎オーパの開館当初、来館者数は一日に約2万人といわれており、高崎駅周辺から慈光通り方面・シンフォニーロード方面へと向かう通行者は約1割程度と見られているそうだ。
高崎アリーナでは全国・国際レベルのスポーツイベントも頻繁に開催されるようになり、高崎駅を中心に広域的な集客機能が急速に高まっている。
創出された交流人口を見逃すことなく、高崎駅周辺から中心商店街へ回遊性を高めていくことが高崎の都市政策の大きなテーマであり、高崎市はこれまでもソフト、ハード両面で力を入れてきた。また高崎商工会議所や商店街と連携し官民協働で中心市街地のにぎわいづくりに取り組んできた。
今回、高崎市が創設した大型ビジョンを活用した情報発信支援制度「商店街等PR補助金」は、中心商店街の回遊性や高崎のブランド力を高めるための新たな仕掛けとなり、高崎駅周辺の大型ビジョンを通じて、大勢の来街者に高崎の情報を伝えることができる。
全国でも類を見ない補助制度
この支援制度は、商店街や公益活動を行う市内団体が、高崎駅周辺にある3カ所の大型ビジョンに15秒または30秒の映像動画を放映し、商店街の魅力や活動内容をPRしてもらうのが目的だ。PR映像の制作にかかった費用を高崎市が補助(上限7万円)し、放映場所・回数や期間については選定委員会で協議・決定する。
本来、こうした大型ビジョンに広告映像を放映するのは高額な費用がかかるが、この支援制度は高崎市が映像動画を放映することで商店街や団体の負担はない。
高崎駅東西の大型ビジョンでは、今回の支援制度が創設される前から、高崎市が行政情報を放映していた。高崎オーパビジョンについてはラジオ高崎が運営していることもあり、この支援制度の実施については、全面的に協力、バックアップしている。大型ビジョンを活用した支援策は、全国でも類を見ない補助制度となるそうだ。大型ビジョンが設置されている都市そのものも少ないので、高崎市の都市インフラを生かした商店街活性化策と言えそうだ。
映像づくりを通じて商店街組合員同士による活発な意見交換もはかられるだろう。
民間デザイン力、 企画力を高めるチャンス
大型ビジョンに放映される映像は、不特定の来街者が目にし、高崎市の都市イメージに直結する。今回の支援制度を活用した映像についても、高崎市のイメージアップの効果を期待したい。
選定委員会の羽鳥修司委員長は「放映を通じて、高崎の魅力を発信し、まちなかの回遊性向上につなげていきたい。多くの商店街、公益団体にこの制度を活用してほしい」と話す。
現在、榛名湖周辺の魅力を紹介した映像や全編高崎で撮影された映画「高崎グラフィティ。」のPR映像などが放映されている。
問い合せは高崎市役所商工振興課へ(電話:027―321―1256)。団体の事業や活動内容、制作したい映像の内容など、「気軽に相談してください」と話している。
『商工たかさき』2018年8月号
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