いじめ防止でピアサポートを体験
(2018年08月30日)
いじめ防止こども会議
高崎市内の小中学生代表による「いじめ防止こども会議」が8月25日(土)に高崎市役所で行われた。市内小学校・中学校から代表1人が参加し、高崎経済大学附属高校の生徒が助言者としてグループ討議に加わった。
高崎市は、本市独自のいじめ防止プログラムに基づき、全国でも先進的ないじめ防止対策に取り組んでいる。子どもたちを主体とした取り組みが特徴的で、この「いじめ防止こども会議」は7回目。
今回のこども会議は、子どもたち同士で支え合うピアサポート(ピア=仲間の意)をいじめ防止に役立てていくのが目的で、臨床心理士で武蔵野心理教育所の塚田展子所長によるピアサポートの講義とグループ研修が行われた。高崎市教委の飯野眞幸教育長は「高崎市のいじめ防止対策が新たな段階に入っている」としている。
ピアサポートは、仲間同士で支え合う取り組みで、いじめられている子をいじめられている子の悩みを聞く友人(サポーター)が支えるとともに、更に高崎市の取り組みでは、サポーターを支えるサポーター(セカンドサポーター)を加え、支える仲間の輪を築いていく。
参加した子どもたちはグループごとに、「いじめられている子」「悩みを聞くサポーター」「セカンドサポーター」をロールプレイングで体験した。
子どもたちの意見では、いじめられている子の立場では「悩みを聞いてもらえると、気持ちが楽になる」、サポーターの立場では「いじめられている子にどう言葉をかけていいのか難しかった」など。セカンドサポーターについては、「みんなで共有して悩んでいる人を支えることができる」などの意見があった。
研修を踏まえ「みんなで協力し二重の輪で仲間を支えよう」「悩みを共有できるセカンドサポーターを増やそう」を提言としてまとめた。
参加した子どもたちは「ピアサポートを知らない人も多いので、全校に知らせていきたい」と2学期の取り組みに意欲を持っていた。市教委では、児童会や生徒会活動を通じて、ピアサポートを浸透させていきたい考え。
講師の塚田所長は「いじめられている子が孤立すると、いじめがエスカレートする。つながりをつくり、孤立を防ぐことができる。サポートする側を増やし、いじめをする人が集団の中で小さくなるようにすることが大切」と話し、この会議の成果を高く評価した。
ピアサポートは、いじめられている子の気持ちに寄り添うことで、サポーターの役割をする子どもたちの心も成長させる。飯野教育長は「子どもたちが自分たちの問題として考えており、子どもたちが更に一歩踏み出すききっかけになる」と話す。
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