高齢者免許返納が大きく増加

(2018年07月25日)


「事故を起こす前に返納」広がる

高齢者の免許証の自主返納について、高崎市は本市の取り組みをこれまでに市議会で示した。

高齢者の免許証返納窓口は、高崎市内では高崎交通安全協会内の高崎警察署交通課分室、または前橋市の群馬県総合交通センターとなっている(県総合交通センターは県下を一括しているため市町村別の統計は出ていない)。

 

高崎交通安全協会内窓口での免許証返納者の推移を見ると、平成25年が390人、26年が474人、27年が619人、28年が853人、29年が989人と、自主返納が年々増加している。平成30年の1月から5月までが538人で、平成29年度の同期間と比較すると122人、率にして29・2%増加している。

全国的に高齢者運転者の交通事故が多発し社会問題となっているなか、事故を起こす前に返納しようという考えが広がっているとみることができそうだ。

 

バス・タクシー利用券の申請窓口も高崎安協内に

自主返納を促進するための高崎市の事業では、高崎市に住民登録している65歳以上の運転免許証所持者で平成22年4月1日以降に自主返納(全部取り消し)した人に、1度限りの支援として、バス・タクシー利用券が交付される。

 

敬老バスカード5800円分・ぐるりん回数券1200円分のセット、よしいバス回数券6組7200円分、タクシー利用券1組6000円分から1つを選ぶ。

 

この支援は免許証返納の動機付けになっているが、これまでは免許証を返納後、高崎市役所や各支所に行ってあらためて申請する必要があった。高崎市は平成30年4月から高崎交通安全協会内に申請窓口を新設し、免許証の返に合わせて支援申請手続きが行えるよう利便性をはかっている。このため、今年4月、5月の申請件数は、2カ月間の合計で前年同期の2倍となる307件となっている。

 

運転経歴証明書でぐるりんなど半額に

自主返納を促進するため、市内の協力店で、運転免許所を自主返納したことを示す運転経歴証明書の提示で各店が用意したちょっとお得なサービスを受けられる取り組みを昨年9月から実施した。

 

自主返納者の移動手段として公共交通を活用してもらえるよう、ぐるりん、はるバス、アリーナシャトルで使用できる自主返納者専用の半額回数券を今年4月から開始した。運転経歴証明書の提示で2000円分の回数券を1000円で購入できる。吉井バスでも運転経歴証明書の提示で、運賃が半額となる。

 

高崎市が自主返納者に実施したアンケートなどでは、高齢者の健康状態や生活環境などにより買い物など公共交通のサポートが必要とされるとともに、マイカーにかかっていた維持費を考えると、公共交通を利用したほうが安いという意見もあったという。高崎市では、初めから免許証を持っていなかった人との均衡をはかりながら、高齢者の免許証自主返納を促進する取り組みを進めていくという。

 

 

 

高崎の都市力 最新記事

  • 株式会社環境浄化研究所
  • シネマテークたかさき
  • ラジオ高崎
  • 高崎市
  • 広告掲載募集中