着心地が良く耐久性「 お値打ち品」のオーダースーツ

(2018年05月27日)

レンガ通りのお店
堀米さん

レンガ通りのTIURF

レンガ通りでメンズのセレクトショップを経営する堀米孝彰さん。最近は、スーツ姿で店に立ち、お客様の要望をうかがい、採寸をする、そんな姿が板についてきた。

 

「目に見えない縫製工程にスーツの見栄えや着心地、耐久性を左右する秘密が隠されています。250工程を超える丁寧なものづくりから生まれる国内最高峰のスーツ。一度着れば違いは明らか」と堀米さんは熱を込める。縫製工場が自社ブランドを立ち上げて製造販売することで、お客様には確かな品質のスーツをお値打ち価格で提供できる。こうした新しいオーダースーツづくりの一端を担っている。

 

これまで、堀米さんは海外で開催される服飾の新作発表会「コレクションウィーク」に年2回足を運び、豊富なアイテムの中から仕入れを行ってきた。目利きのスキルや仕入れの実績が認められ、「パリコレ」でランウェイを間近で見られる「フロントロー」に招待されるなど優遇されてきた。

あるときパリで、紳士服専門の仕立屋が並ぶ路地を見つけ、夜8時頃にもかかわらず活気づく店内や、顧客一人ひとりに対応するテーラー、親子3代が信頼を寄せて注文する様子に服づくりの原点を見た。一方、国内では宮内庁の契約工場として皇族の礼服などをつくる縫製工場との出会いがあった。こうした出来事をきっかけに昨年11月、工場直結のオーダースーツの取扱いを開始した。

 

堀米家は曾祖父の代から続く商人の家系。曾祖父は第一次大戦で海外に渡り乾物商を営み、第二次大戦に出兵した祖父は終戦で高崎に戻り、必需品の靴に着目し露天商から身を起こした。父は80年代のDCブランドブームに乗り、靴店から衣料品店に転業し、存在感のある店舗に育てた。そして、孝彰さんは両親が営む店舗を手伝いながら修行を積み、取扱ブランドを引き継いで2007年に独立した。

 

「人の縁に恵まれ今の自分がある。自分ができることで世の中に恩返しをしたい」。時代の動向に業態を柔軟に変化させてきた堀米家のDNAが息づく。一着の服にかかわる生産者・取引先・お客様、みんなが笑顔になれる商売をめざしていく。

 

堀米さんは高崎まつりの運営にかかわるなど高崎市青年商業者研究会の活動を通して、行政などの仕組みを学ぶことができ、仲間にも恵まれた。商店街活性化のために役員としてイベントを盛り上げる。

 

この4月からは地元の専門学校で服飾に関する講義を担当し、実践に役立つ臨場感あふれる情報を学生たちに伝えている。

株式会社TIURF
住所:高崎市通町18
TEL:027-384-3713

高崎商工会議所「商工たかさき2018年5月号」

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