第16回吉野秀雄顕彰短歌大会

(2017年12月11日)


 第16回吉野短歌大会の表彰式が12月2日に高崎市総合福祉センターで行われた。この短歌大会は高崎市に生まれた歌人・吉野秀雄を顕彰し、本市の文化振興をはかるのが目的。今年度は一般132首、学生8847首の応募があった。表彰式で富岡賢治市長は「高崎は市民の創作活動がとても盛んで文化の伝統がある。短歌も更に振興していただきたい」とあいさつした。主な入賞作品は次の通り。敬称略。
●一般の部
吉野秀雄賞
父祖よりの最後のこの田見納めか宅地造成の杭打たれゆく(中村齢子)
高崎市長賞
告知され癌とは言えず貧血と義母に伝える吾子の病を(高橋伸治)
高崎市議会議長賞
しみじみと語ることなく逝きし夫声かけ墓の石に手をふる(深澤巴)
高崎市教育長賞
畳替え明るく広き部屋ぬちに整えて待つ夫の新盆(吉澤八千代)
高崎市文化協会長賞
かの夜を思ひ出したり遠花火空襲に燃ゆ前橋の街(金井晶子)
県歌人クラブ会長賞
病む夫の靴下の底に入れやりし色づく畑の赤き唐辛子(湯浅茂子)
ラジオ高崎社長賞
余命などあと幾年かわからねど臥せたる妻の襁褓かへをり(今井栄一)
●学生の部
吉野秀雄賞
ピンポン玉割りそうな程握りしめ無力な自分を嘆いたこの夏(萩原瑞葵)
高崎市長賞
「機関車をみたがるたびに連れてった」もう歩けない祖父の口ぐせ(江原朔玖)
高崎市議会議長賞
線香の煙に探す思い出は父の面影色濃く残す(山内瑠衣)
高崎市教育長賞
ひと夏の思い出ばかり強すぎて秋への一歩未だ踏み出せず(笹原剛)
高崎市文化協会長賞
のびたつる行き先失い迷うよう迷路の中の今のわたくし(藤本結子)
雑踏の中で自分を忘れても母の「おかえり」で私に戻る(雪吉千春)
県歌人クラブ会長賞
じいちゃん家プラムの枝にブランコが三つならんでまっている(佐藤来美)
ラジオ高崎社長賞
人は人我は我と悟りし日一人黙して心星(しんぼし)眺める(小池夏奈)

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