躍動感あふれる楽曲に気鋭が共演/群響598回定演
(2024年05月24日)
5月25日(土)高崎芸術劇場
群馬交響楽団の第598回定期演奏会が5月25日(土)に高崎芸術劇場で行われる。午後4時開演。
「次世代を担う演奏家が織りなす<日本とスペイン>リズムの躍動!」をテーマに、山本菜摘/委嘱作品「UTAGE~宴~」、ロドリーゴ/アランフェス協奏曲、ファリャ/バレエ音楽《恋は魔術師》、芥川也寸志/交響曲 第1番を演奏する。
出演は指揮=原田慶太楼、ギター=ティボー・ガルシア、メゾソプラノ=加藤のぞみ、交響楽=群馬交響楽団。
第598回定期演奏会は、指揮の原田慶太楼さんと群馬交響楽団が意欲的に取り組んできた演奏会。定期演奏会での新作委嘱作品は創立50周年(1995年)「遠景Ⅱ(作曲=細川俊夫)」以来となる。
5月23日に指揮の原田さん、声楽の加藤のぞみさん、委嘱作品「UTAGE~宴~」を作曲した山本菜摘さんが記者会見した。原田さんは東京交響楽団正指揮者で欧米での活躍がめざましい。これまで群響夏休みコンサートで指揮をしており群響ファンに親しまれているが、意外にも定演の出演は初めてという。初の定演に原田さんは「リズムの躍動!」を狙った。
この回の定演にはギター・ティボー・ガルシアを招へいしたロドリーゴ/アランフェス協奏曲が決まり、原田さんはスペインをテーマにファリャ/「恋は魔術師」を演奏曲に加えた。声楽はスペインを拠点に世界的に活躍し親交のある加藤のぞみさんに依頼した。
また国内作曲家による作品を紹介したいと芥川也寸志/交響曲第1番を選曲。この定演のオープニングを飾る作品として山本菜摘さんに新曲を委嘱し、4曲のプログラムを構成した。
山本さんは委嘱作品「UTAGE~宴~」を群馬交響楽団にふさわしい作品とするために、群馬を訪れイメージをふくらませた。群馬の自然、空っ風、絹を紡ぐ音を表現し、八木節、草津節のメロディも取り入れた。「群馬の雄大な自然、県民のみなさんの優しくあたたかな心を群響の躍動感ある演奏で表現しました。群響の演奏は豊かな厚みがあり想像をはるかに超えるものでした。ホールも豊かな余韻が残りすばらしい。群馬の誇りとして長く愛される曲になってほしいです」と話す。
群響では、この定演以降も「UTAGE~宴~」の演奏機会を設けていく考え。原田さんによれば、吹奏楽版も予定されているそうだ。
声楽の加藤さんは太陽と情熱の国スペインの気風を愛し、指揮・原田さんも厚い信頼をよせる演奏家。「加藤さんはホールの空気を変えるオーラを感じさせます」と絶賛。「恋は魔術師」は加藤さんにとっても初めての曲で、高崎芸術劇場の舞台は初登壇。劇場の響きを生かし「200%の情熱を伝えていきたい」と意欲いっぱいだ。曲の特徴であるスペイン南部・アンダルシア訛りの発音もスペイン在住を生かして研究してきたそうだ。
今回の演奏会ではステージ上手(かみて)にピアノ、下手(しもて)にコントラバスを置き、客席が弦と管の低音に左右から囲まれる。原田さんは「ハーモニーにハグされ、群響のサウンドを体全体で感じてもらえる。音楽の楽しさを感じてほしい」と話す。リズムの躍動、音楽の躍動が楽しみな演奏会になりそうだ。
第598回定期演奏会
2024年5月25日(土)開場:15:00 開演:16:00
高崎芸術劇場大劇場
チケットはSS席6500円からC席3,000円で残席あり。当日券も予定。一部の席種は売り切れもある。
問い合わせは群響事務局027-322-4316