多胡碑修理の説明会/21日に現地で
(2023年12月19日)
笠石を補修再設置
高崎市は特別史跡多胡碑の恒久的保存・活用に向けて取り組んでおり、現在実施している多胡碑上部の笠石の保存修理・再設置について、12月21日(木)に現地説明会を実施する。
時間は午前11時から午後3時までで、場所は多胡碑覆屋の前。集まった数名ごとに順次、解説を行う。所要時間は30分程度。申し込みは不要で希望者は直接現地へ。
高崎市は12月4日から笠石の保存修理を実施しており、修理期間中は覆屋周辺に立ち入れない場合もある。現地説明会に先だって12月14日に報道機関に作業状況が公開された。
現状の笠石は中央から斜めに破断し、割れた状態でバランスを保ちながら載っているため、笠石の落下が心配されていた。
また江戸時代以降、何度か笠石を置く向きが変わっていることがわかっている。いずれの場合も割れた面が正面にならないように設置されてきたが、本来は割れた面が正面となることがわかっており、多胡碑を守ってきた人々が多胡碑の美観を損なわないよう、割れた面が見えないように配慮してきたものと想像される。
補修作業の内容は多胡碑の原型を後世に継承できるように精査された。
笠石と碑本体の接合部には凹凸のホゾがあるが、噛み合わせ部分の加工がおおまかで不安定であることから、安定させるために鉛箔板や三和土(たたき)などで補修し、亀裂部分の修景補修なども行う。笠石の破断面の接着は、将来への配慮から行わない。笠石の再設置については本来の向きに置き直す。
掲載写真は報道機関に公開された12月14日のもので、21日の現地説明会では作業進捗の状況に合わせた公開内容になる予定。多胡碑の修理状況を見学できる貴重な機会となる。