第36回高崎映画祭 最優秀新進俳優賞
(2023年01月20日)
佐々木詩音さん
諏訪珠理さん
『裸足で鳴らしてみせろ』 © 2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF
最優秀新進俳優賞
佐々木詩音(ささき・しおん)『裸足で鳴らしてみせろ』
【受賞理由】
他者の姿を通して透けて見える自分に対して、演じる直己は幾度となくたじろぐ。父親と向き合う時、互いに心を寄せ合う槙との濃密な空気感の時、女友達と浜辺で戯れる時。そんな時に見せるふとした表情に引き込まれる。自分を見つめる青年の心の機微が、見るものの心に滑り込んでくる。鋭い洞察力に裏打ちされた細やかな人物表現と確かな演技力が高く評価された。
諏訪珠理(すわ・しゅり)『裸足で鳴らしてみせろ』
【受賞理由】
飄々と生きているように見える青年が垣間見せる繊細な横顔が印象に残る。伸び伸びと自由に羽ばたく翼を持ち、アクティブに行動していく槙は一方で細心の注意を払ってその秘めた想いに蓋をする。微細な心の動きを手元に、そして物憂げな瞳に滲ませるその表現力に息を呑む。動と静を冷静に演じ分ける感性の高さが唯一無二の存在感を放ち、賞賛の声が集まった。