倉渕の江戸期絵図が群馬県初の林業遺産に
(2021年06月11日)
川浦山御用木御伐出絵図
1834年(天保5)に、江戸城再建の建築資材として巨木の伐採から河川による木材搬出までを描いた「川浦山御用木御伐出絵図(かわうらやま・ごようぼく・おきりだしえず)が、一般社団法人日本森林学会が主催する2020年度林業遺産に認定された。
5月28日に烏川流域森林組合(市川平治組合長)が発表した。
2020年度は4件が選定され、登録件数は45件となった。
「川浦山御用木御伐出絵図」は、倉渕町川浦の旧家に伝わり、高崎市指定重要文化財に指定されている。江戸城再建のため、天保5年(1834)から、大量のケヤキを切り出す事業を描いた幅30cm、長さ10mの絵巻。複製品が作成され、高崎市文化財保護課が保管。
川浦山の御林(おはやし=幕府直轄林)から大ケヤキが伐採され、相間川・烏川で河川を利用して木材を流し、倉賀野(高崎市ホームページには新町と記載)で筏に組んで江戸まで運んだ。
絵巻物には御会所(跡地は高崎市指定史跡・幕府御用材搬出御会所跡)、伐木(台伐法・焼伐法)、造材(木材に切り、当時は角材に加工。先端は丸く削る)、桟手(さで=木材を下に敷き、勾配の上を滑らせて搬出する方法)、堰出し(堰を築いて水面を上昇させた後、堰を壊して木材を流す方法)、管流し(木材を一本ずつ流して運ぶ方法)が描かれており、当時の様子が克明に伝えられている。
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