全17万世帯に消毒液・除菌スプレーを配布
(2021年04月16日)
全国初、行政の本気さ示す
高崎市は新型コロナの家庭内感染を防ぐため、手指消毒液と除菌スプレーを市内全17万世帯に配布する。新型コロナウイルスの感染防止対策として全国初の取り組み。
高崎市内の感染者は、3月22日から3月28日までの1週間は22人で、その内、家庭内感染6人で27%、3月29日4月4日までの1週間は感染者22人で、その内、家庭内感染が11人で50%となっており、3月下旬〜4月上旬の家庭内感染は約4割となっている。
家庭内感染の割合が増加していることから、家庭内へのウイルス持ち込み対策を強化することを目的に、手指消毒液と除菌スプレーの全戸配布となった。
配付は職員800人を動員し、2人一組で各家庭を訪問して行う。訪問する時、職員は名札を着用し職員証を携帯。4月28日から開始し、約1カ月間で実施する計画。
4月15日の高崎市議会教育福祉常任委員会で、配布先が不在だった場合の対応などについて質疑があった。
不在の場合は、連絡票を置き、日時の指定を受けて再配達を行う。連絡がつかない、再配達ができないなど手渡しできない場合は、高崎市役所や支所などに受け取りに来てもらう予定。
市議会常任委員会では、配達時の感染防止対策の徹底が確認されるとともに、配達作業は手間がかかるため、集合住宅などは管理会社などに委託したらどうかという提案もあった。
職員800人で17万世帯に全戸配布するという、前代未聞の事業で、富岡賢治市長は「コロナの家庭内感染を防ぐための具体策としては、これ以外にないと考え、配布することにした」とコメントしている。
富岡市長は、かねてからの持論として、やらないための理由探しを排しており、今回の全戸配布も、富岡市長らしさを見せている。
消毒・除菌による直接的な感染防止効果とともに、高崎市の「本気さ」を示すもので、全市を挙げてあらためて感染防止対策に取り組む機運の醸成につながる。
予算は2億1300万円で、消毒液等の購入費は1億2800万円。必要な数量を期日までに確保するため、メーカに直接購入し、購入するに至った。消毒液は危険物には該当しない製品を選定している。
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