歴史を刻んだ熱演 群響75周年記念公演
(2020年11月2日)
指揮山田和樹さん、ヴィオラ・今井信子さん
群馬交響楽団創立75周年記念演奏会が10月30日に東京オペラシティ、翌31日に高崎芸術劇場大劇場で行われた。
高崎芸術劇場では、感染症対策のため、定員の50%の入場となっており、859人が75周年の記念公演を堪能した。
指揮は山田和樹さん、ヴィオラ・今井信子さんが出演し、ベルリオーズ/《イタリアのハロルド》を演奏、休憩をはさんでガーシュウィン/《パリのアメリカ人》、ラヴェル/《ラ・ヴァルス》を演奏した。
山田和樹さんは世界的な活躍が注目を集める指揮者で、群響音楽アドバイザーの小林研一郎さんの弟子。小林アドバイザーからの推薦で、75周年記念の指揮台に立ったそうだ。
山田さんの渾身のタクトもこの日の大きな見どころで、タクトが天を突き、オーケストラから音が吹き上がってくるような激しさ、呼吸が止まるような繊細さで観客を魅了。またリズムに乗って踊るような指揮もあり、曲の最後にタクトと弾き上げたバイオリンの弓が空中で静止すると、大きな拍手が会場を包んだ。
群馬交響楽団によれば、群響創立75周年にふさわしい演奏会にするために、山田和樹さんと構成を練った際、群響創設に関わった故・井上房一郎氏が青年時代にフランス留学していたことにちなみ、フランスをテーマに選曲したそうだ。
また世界的なヴィオラ奏者の今井信子さんは、この公演のために来日され、新型コロナウイルスの感染症対策による2週間の待機措置を見込んだスケジュールを組んでもらったそうだ。
群馬交響楽団は、昭和20年(1945)に戦後の荒廃した音楽の力で復興しようと、地方オーケストラの草分けとして創設。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、群響の活動も大き制約を受けている。群響では「感染拡大により公演中止の心配もあった。75周年にふさわしいすばらしい演奏会となった」と開催できた喜びと感謝を表していた。
記念グッズとして75周年記念だるまを限定75個制作、販売された。
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