アマビエだるまが勢ぞろい
(2020年07月29日)
高崎オーパ内高崎じまん
コロナ克服を願い「アマビエだるま」が話題
アマビエとだるまの最強タッグ
新型コロナウイルス感染拡大を受け、イベント開催中止や外出自粛要請で不穏な空気が漂うなか、SNSを中心に疫病退散にご利益があるとされる妖怪「アマビエ」が大きな注目を集めた。
そのコロナ克服の象徴である「アマビエ」に、同じく疫病退散や魔除けのお守りとして信仰されてきた高崎だるまを融合させた「アマビエだるま」が今、コロナ退散を願うグッズとして話題を呼んでいる。
先陣を切って「アマビエだるま」を制作したのは、群馬県達磨製造協同組合に加盟し、高崎じまんのだるま売り場管理を担当する「だるまの幸喜」のご主人・旭さんだ。
SNSのトレンドに「アマビエ」を見つけ、その言い伝えにならって制作した写真を投稿したところ、大きな反響があった。「始めはだるまのオフシーズンにも技術を維持するための手習いのつもりでした」と話す旭さんだが、販売を求める多くの声が集まったため、組合の理事会で賛同者を募り商品化。活動の輪は広がり、今井だるま本舗、今井だるま店NAYA、高林だるまも加わった4店舗が、高崎じまんに同商品を出荷している。
辛い日々を支えて心を癒す「アマビエだるま」
4店舗の職人たちが手がけるそれぞれの「アマビエだるま」は、モデルが同じでも絵柄や表情はそれぞれの個性が光る。
大きさはいずれも0.5丸や0.3丸など手のひらサイズでかわいらしく、少しとぼけたような表情もまた見ていて気持ちが和むようだ。唯一の共通点は、どれもやさしいパステルカラーであること。「自粛期間でなかなか外に出られない今だから、目に優しい色彩がいいと思いパステル調にしました」と理由を語る。
「アマビエを高崎だるまで作ることに大きな意味がありました」と旭さん。背景や役割が強くリンクする2つの守り神が時を超えてコラボを果たし人々の支えとなったことは、だるまのあるべき姿を改めて伝えるきっかけにもなった。
夏以降には年末年始に向けた製造業務が動き出すだるま業界。繁忙期に突入する前に、コロナウイルスの感染拡大が収束に向かってくれることを願うばかりだ。
高崎オーパ内の高崎じまんで販売。
高崎商工会議所『商工たかさき』2020年7月号
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