震災教訓に3・11訓練/消防局
(2020年03月13日)
今回は中高層ビル火災を想定
高崎市等広域消防局は、東日本大震災から9年となった3月11日に、中高層建物火災を想定した訓練を消防局訓練場で実施した。
訓練は、昨年、京都市で発生したビル放火火災を想定し、指揮隊、ポンプ隊3、はしご隊2、救助隊2、水槽隊1、救急隊3の12隊92人が参加した大規模なもの。
訓練内容の詳細が参加隊員には知らされないセミブラインド型の訓練で、8階建てビルの1階から出火し、建物内には逃げ遅れた人が多数の状況が設定された。1階から屋上まで各階に数人ずつ20人の要救助者が配置され、訓練に参加する隊員には知らされていないのが、この訓練のポイント。20人という大勢の要救助者を設定したのも初めて。
多くの隊が同時に活動しているので、迅速で正確な消火・救助活動に加え、状況に応じた判断や隊の連携が必要になり、初動や指揮系統が重要だ。
隊員のマンパワーとともに、2台のはしご車を効果的に使い20人全員の救出に成功した。
訓練後の検証会では、無線の音声品質などの課題も上げられた。
消防局の井草局長は「我々が人を救う、命を救うことを肝に銘じたい。3・11訓練を続けてきたが、皆さんの意識の高さが伝わった。高いモチベーションで市民を守るためにがんばってほしい」と講評した。
訓練の前に、参加隊員全員で東日本大震災の犠牲者に黙とうを捧げた。
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