多胡郡正倉跡が国史跡に

(2019年11月21日)

多胡郡正倉跡法倉(上が北)
北谷遺跡全景(東から)

北谷遺跡の追加指定も

国の文化審議会(佐藤信会長)は、11月15日に高崎市の遺跡「上野国多胡郡正倉跡」を新たに国の史跡として指定すること、また、国指定史跡「北谷遺跡」の指定範囲を追加することを、文部科学大臣に答申した。高崎市がこれまでに発表した。

 

官報告示で正式に指定されることになり、高崎市内の国指定史跡は14件になる予定。

 

新たに指定される「上野国多胡郡正倉跡(こうずけのくにたごぐんしょうそうあと=吉井町池)」は、特別史跡「多胡碑」の南約350mに立地。郡内で徴収した稲などを収納する倉庫(正倉)群跡とされる。礎石建物2棟の他、他にも数カ所で礎石に使われたとみられる礫石が確認されており、多くの正倉が建てられていたことがうかがえる。今回2万8637㎡が指定された

 

遺跡の北端で確認された正倉は、東西に長い梁行3間・桁行7間の特に大型の正倉で、上野国内で初めて確認された総瓦葺の屋根構造を持つ「法倉」と考えられている。

多胡郡正倉跡は日本の古代史を解き明かす上で重要な遺跡として評価された。

 

 

北谷遺跡(きたやついせき=引間町)は、榛名山東南麓に広がる古墳時代の豪族居館であり、平成17年に史跡指定された。

 

北谷遺跡は、良好に遺存する国内でも数少ない大規模な豪族居館で、三ツ寺1遺跡との関係や豪族の支配領域等を考える上で極めて重要な遺跡とされている。

既に3万5932㎡が指定されており、今回居館の東濠の一部など1781㎡が追加指定された。

 

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