山車の思い出は子どもたちの一生の宝
(2019年07月31日)
高崎山車まつり実行委員長・石橋さん
いよいよ夏本番。高崎の夏を彩る高崎まつり・高崎山車まつりが8月3日(土)・4日(日)に開催される。今年高崎山車まつり実行委員長に就任した石橋輝治さんは、「高崎の子どもたちの心にお祭りの山車の思い出が残っている。皆さんと力を合わせて、高崎の山車を守り、後世に伝えていきたい」と意気込みを語る。
高崎の街中には全国屈指と言われる38台の江戸型の山車があり、各町内が大切に保存継承している。8月の高崎山車まつりには、毎年約半数ずつが交代で出場するが、来年は市制120周年などの節目にあたり、全町内の山車が参加する予定だ。
石橋さんは、九蔵町で生まれ育ち、高校を卒業して以来、定年を迎えて高崎に戻るまで、各地を転勤してきた。一家は小中学校だけで7回も転校したという。ふるさと高崎を離れて暮らす石橋さんの心には、幼い頃の九蔵町の山車の思い出が深く刻まれていたそうだ。
戦後まもない昭和23年、九蔵町では町内や商店街に浄財を募って山車を再建した。小学生だった石橋さんは出来上がったばかりの山車の見事さに目を丸くした。当時は児童が多く、高学年から山車に上がるので「自分の順番が回ってこなかった」と笑顔で振り返る。「貧しい時代に子どもたちのために町の人たちががんばってくれた。高崎に戻り、今度は自分ががんばろうと決意しました」と九蔵町の山車と山車囃子が町内の人たちによって守られてきたことに、感動と感謝の気持ちでいっぱいになり、石橋さんは町内会や山車保存会の活動に熱心に取り組んでいる。
「各町内の意見を出し合ってもらい、すばらしい活動にしていきたい。山車保存会には経験豊かな方々が大勢いらっしゃいます」と抱負を語る。
石橋 輝治さん(いしばし てるじ)=昭和13年5月生まれ。81歳。九蔵町で生まれ育ち東小、二中、高崎高校卒。防衛大学校から自衛隊等の幹部として全国に赴任。高崎山車祭り保存会副会長を経て会長に。現在は九蔵町区長、高崎市東地区区長会長のほか地域の役職も兼任し、高崎のまちづくりに貢献している。
高崎商工会議所『商工たかさき』2019年7月号
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