医療機関への収容時間を1分52秒短縮
(2015年7月24日)
救急患者「たらい回しゼロ」めざす
119番の救急要請を受けてから医療機関に患者を収容するまでの時間を短縮しようと、高崎市は、いわゆる「救急患者のたらい回しゼロ」に平成25年度から取り組んでいる。この2年間の取り組みの結果、119番通報から患者を病院に収容するまでの平均時間が 2年前よりも1分52秒短縮できたことを高崎市は示した。
24年度と26年度の比較では、119番通報から現場到着までの平均時間が34秒短縮され、26年度は8分10秒、傷病者への対応や医療機関への受け入れ要請に要する現場の平均滞在時間が50秒短縮され14分51秒、搬送先決定から医療機関に患者を収容するまでの搬送時間が28秒短縮され、11分22秒、合計で1分52秒短縮となった。
高崎市では、救急車が現場に到着してから、患者を受け入れる医療機関がすばやく決められるよう救急医の確保や救急患者の受け入れ助成金制度など、医療機関に対する取り組みに力を入れてきた。
その結果、患者を受け入れる医療機関が決まるまで、複数の医療機関に問い合わせる回数が減少し、一度の問い合わせですぐに決まる割合が、24年度の65・5%から26年度は74%に向上した。4回以上、問い合わせる件数は、24年度は639件あったが、26年度は約半分の338件に減少した。「ベッドに空きがない」の理由で患者の受け入れを断られることが、24年度は拒否理由の約40%となっていたが、26年度は半分以下の約17%に減少し、救急患者の搬送時間短縮につながった。
平成25年度に導入したドクターカーの要請軒数は、26年度は363件。このうち心肺停止は39件、このうち対応により1週間以上生存したのが9件、1カ月以内に軽快し退院や転院できたのが5件となっている。
救急件数は、毎年増加しており、平成25年度が1万2347件、26年度が1万2517件。高崎市では、今回の成果をこれからも維持し救急医療体制の充実をはかっていきたいとしている。