江戸のなぞなぞに挑戦! 判じ絵/高崎市タワー美術館
(2015年7月13日)
絵入十題願 《墨摺経本》 蛇足庵蔵
左:スズメ(鈴に目)
一宝斎国盛《鳥のはんじもの》(部分)蛇足庵蔵
右:松(逆さまの妻)
一鵬斎芳藤《新板植木のはんじもの》(部分)蛇足庵蔵
オリジナル企画展
鈴に目が付いていて…すずめ”、“妻が逆立ちしているので…松”等々、ある言葉をそれとは無関係な絵や文字で表した絵を判じて(解いて・推理して)答えを導き出す「判じ絵」。濁点が付いた絵は濁らせて音読したり、真ん中が抜けた絵ならば真ん中の音を外して読んでみるなど、一定の法則に則って解けるようだ。
担当学芸員の小倉さんは「ずっとやってみたいと思っていた判じ絵展。個人所蔵のものをお借りして実現したタワー美術館オリジナルの企画展です。是非、頭を柔らかくして楽しんでください」と話す。
ラブレターやお経も?!
判じ絵は、江戸時代に庶民の間で流行った言葉遊びの一種で、動物や植物、食べ物や歌舞伎役者の名前など様々なものが表現されており、当時のユーモアや人々のセンスを味わうことができる。単語だけでなく、年賀状や恋文など長文もの、またお経や暦などもあり、今でいうクロスワードパズルのように庶民が楽しんだり、文字が読めない人でも解読し、生活に役立つよう考案された。また明治時代の雑誌の付録の判じ絵は、「解読すると2か月分の雑誌が贈られる」という企画もの。長文になった判じ絵は、まるでエジプトの象形文字のようにも見えてくる。
“能トレ”の後は、“涼”を感じて
小倉さんは「判じ絵の隣に答えを表示しているので、どんな絵に変換しているのか謎解きを楽しめます。平成の判じ絵も募集しています。皆さん、法則を使って“なるほど”という判じ絵を編み出してくれていますよ」と語る。また、判じ絵クイズに挑戦すると参加した子供と全問正解した大人に、判じ絵のしおりをプレゼント。判じ絵で脳トレを楽しんだ後は、夏から秋への移ろいを感じられる同時開催中の日本画展“涼を愉しむ”で涼みたい。日本画の重鎮の作品から注目の若手日本画家の作品等、見応え十分だ。
高崎市タワー美術館 「判じ絵」 7月4日(土)~9月6日(日)
〒370-0841 高崎市栄町3-23 電話027-330-3773
開館時間:午前10時~午後6時 *金曜日は午後8時まで(入館はいずれも30分前まで)
休 館 日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
観 覧 料:一般:500円(400円)、大学・高校生:300円(200円)
*( )内は20名以上の団体割引料金
*身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方、および付き添いの方1名、65歳以上の方、中学生以下は無料。