英語力向上をめざし抜本改善

(2015年7月3日)

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ALTを全校配置し効果的な活用検討

 高崎市は、市内の全ての小中学校、83校に外国人の英語指導助手=ALTを配置するなど、児童生徒の英語力の向上をめざした取り組みを来年度から実施するため、専門家や保護者による「高崎市英語教育抜本改善検討会議(座長・小林良江県立女子大教授、副座長・卯城祐司筑波大学教授)」を設置し、6月30日に初会合が開かれた。
 会議の中で示された高崎市の報告によれば、現在、高崎市内には41人のALTが配置されており、一人のALTが複数の学校を受け持っている。そのため、ALTを交えた授業は小学校高学年や中学校では、週1時間程度確保できるが、小学校低学年や中学年は、週0・1時間から0・5時間となっている。学校規模による格差も大きく、小学校低学年の場合、大規模校は週0・1時間、小規模校は週0・3時間などと開きがある。
 高崎市は、こうした状況を見直し、平成28年度から2カ年計画でALTを83人に増員し、市内の全ての小中学校83校に配置していくとともに、ALTを十分に生かした指導に切り替え、英語教育を小学校低学年から充実させていく方針を示した。
 ALTは担任を補佐する役割となっており、小学校の場合は、ゲーム的な内容で英語に親しんだり、中学校では教科書を音読して聞かせるなどのティームティーチングとなっている。
 高崎市は、ALTを主体とした授業内容をめざしており、15分程度の学習を継続するモジュール学習やDVDなど視聴覚教材も充実させる考え。一方、ALTは英語教育や語学教育の専門家とは限らないため、ALTを主体とした指導を行う場合には、学習内容を全市で標準化、モデル化する必要がある、小学校で養った英語感覚を中学校で更に深めるためには小中学校が連携した指導が不可欠、などの課題が会議で指摘された。
 高崎市では、出された意見をもとに教職員によるワーキンググループで学習内容や教材を検討し年内にたたき台をまとめていく。
 富岡市長は「現状ではALTと子どもたちの接点が少ない。外国語と触れ合う機会を全小中学校に広げ、高崎の子どもたちにステップアップしてほしい」とこの事業に実施に意欲的で、期待を寄せている。飯野教育長は「英語担当教諭の資質向上にもつながる。県内12市や中核市でも新しい取り組みになる」と、導入に向けた準備作業に力を入れる考えだ。