郡衙調査の結果で道路計画変更も
(2015年6月12日)
多胡郡衙と県道整備
高崎市が多胡碑周辺で行っている発掘調査で、奈良時代の初期の多胡郡の役所「郡衙(ぐんが)」の一部とされる倉庫群「正倉院」が発見されたことから、群馬県は、県が進めている国道254バイパスの吉井町地内の整備や、県道高崎神流秩父線の整備について、「今後の調査の動向を見ながら慎重に進めていく」考えを群馬県議会一般質問で角倉邦良議員の質問に答えて示した。
群馬県は、現在、多胡橋北の高崎神流秩父線と後賀山名停車場線の渋滞解消をめざし岩崎交差点の整備工事を進めている。
高崎神流秩父線は、長期をかけて中山峠の4車線化が実現された。県がこれまでに示していた計画では、高崎神流秩父線が現道の東側にバイパス化されて、吉井IC方面に伸び国道254号と接続する。また国道254バイパスの吉井北通り線は吉井町池周辺で高崎神流秩父線に接続して東進し、国道254号と接続される。
多胡郡衙の「正倉院」が発見された場所は、多胡碑の500mほど南で、県の道路整備計画と重なるエリア。多胡碑と多胡郡衙は一体的な貴重な史跡となり、高崎市では郡衙の全体像の解明調査に取り組んでいる。
群馬県は「多胡郡衙の発掘調査結果によっては計画の見直しが求められることも考えられる」とし、高崎市の調査結果を見ながら「計画を検討していきたい」とした。
多胡橋周辺の渋滞状況に関して群馬県の調査によれば、一日の交通量は、県道高崎神流秩父線は、多胡橋北側1万6560台、南側1万3060台、後賀山名停車場線の岩崎交差点西側1万0871台。県によれば、2車線道路の平均的な交通量は一日9千台で、交通量が道路の容量を超えていることから、この路線の4車線化を進める必要があると考えているが、「計画変更について結論が出せる状況ではない」とした。