人間国宝 染色家・佐々木苑子の着物・帯70点あまり/群馬県立近代美術館
(2015年5月30日)
創作の全貌紹介する貴重な機会
1939年東京生まれの佐々木苑子さんの本展は、50年近く重ねられてきた創作の全貌を紹介するまたとない機会。鳥や植物の姿を絣(かすり)の文様に浮かび上がらせ、時の移ろい、風や光のゆらぎを微妙なる色調にこめた着物や帯などにこめた作品を展示。
静岡県の手織り紬工房で平織・縞・格子の技術を学んだ後、71年、紬織の作品で伝統工芸新作展にて初入選。その後、曲線で表現する絵絣の技を求めて、鳥取県の弓浜絣と島根県の広瀬絣を学ぶ。そして、様々な自然のモチーフから図柄を創案し、多彩な植物染料で染めた紬糸の繊細華麗な絵絣に表すことに挑む。
従来、木綿糸を藍染めし伝統的な柄を織り出す素朴な味わいを持っていた絵絣を、品格ある芸術性の高い紬織の絵絣へと展開させた。絹糸による絵絣や紋織の着物を日本伝統工芸展を中心に発表し続け、その技術と芸術性が高く評価され、数々の賞を受賞。
2005年、重要無形文化財「紬織」保持者への認定を受け、現在も制作・後進の指導・普及活動に活躍する。
人間国宝 佐々木苑子 ―絵絣紬に生きる―
~6月21日(日)まで
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日:月曜日
観覧料:一般820円、大高生410円
*中学生以下、障碍者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
会場:群馬県立近代美術館 展示室1
〒370-1293 高崎市綿貫町992-1
電話:027-346-5560
http://mmag.pref.gunma.jp