給食費の長期滞納で提訴/高崎市

(2015年5月29日)

未納残額は約30万円

 高崎市は、学校給食費を長期滞納した市内在住者に、未納額約30万円の支払いを求める訴えを提起したことを、18日の高崎市議会臨時会に報告し、議会の承認を得た。
 高崎市の説明によれば、市のこれまでの再三にわたる納入依頼に応じてもらえなかったため、相手方に対し、平成26年3月に弁護士を通して催告兼通告書を送り、法的措置に及ぶことを示したところ、分割納付誓約書が提出され、数カ月間納入があった。その後、再び納入が滞ったため、弁護士を通じて高崎簡易裁判所に支払い督促申し立てを行い、未納全額の納付を求める訴えを提起した。
 未納残額は約30万円で、相手方は就労し生活保護も受けていないことから支払い能力があると高崎市は判断し、学校給食費の負担の公平さから厳正に対処する考え。相手方から分割払いの申し出があり履行が見込まれる場合は和解に応じ、市の訴えの内容が認められない場合は上訴する。
 高崎市の27年度の学校給食費は、方式によって異なるが、小学校が1カ月4630円、中学校が5600円で、8月は給食費は無く、年間に11カ月となっている。現行の給食費で小学校の6年間、全く納付しなかった場合、約30万円となるので、今回のケースでは滞納が長期間にわたっていたことが推しはかられる。
 高崎市の学校給食費の未納額は累計で1億円を超え、市は収納対策に力を入れ、平成25年度は約5千人、26年度は年度途中のまとめで4500人と、収納につとめた。
 経済的な理由で給食費の納入が難しい場合は就学援助制度があり、払えるのに「払いたくない」といって払わないケースでは、市も手を焼いてきた。今回の提訴は、給食費の滞納整理に一定の効果があるものと見ることができそうだ。