学習が楽しい。「やる気が出た!」
(2015年2月20日)
「わかる楽しさ」で意欲を引き出す
高崎市教育委員会が保護者や地域と連携し、26年度に児童生徒の学力向上に取り組んだ「学力アップ大作戦」の実践報告会が19日に高崎市役所内で行われ、小学校58校、中学校25校の地域運営委員代表が集った。26年度の成果が発表されるとともに、課題を持ち寄ったグループ討議が行われた。
学力アップ大作戦は、各校の実情に合わせ、学校ごとの地域運営委員会が主体となって実施し、放課後や休日に、ボランティア指導者が子どもたちの学習を支援する。対象学年も各地域運営委員会ごとに様々だが、全学年を対象に開講している校区もある。子どもたちの参加は自由だが、地域の温度差があり、おおむね半数以上の子どもたちが参加している校区や参加者は少数の校区もある。中学生は部活などで参加が少ない校区もある。
学習会名称にも校区の個性が現れ「放課後学習会」のほか、「基礎基本徹底塾」「パワーアップ教室」「やる気塾」といった学習への意欲が伝わるもの、「寺子屋」など地域とのつながりが感じられるものなどもあった。
教科は算数、数学が主体で、教科を広げている校区もあった。回数は週に1~2回程度で、1時限程度の学習時間となっている。
学習の様子では、市教委が提供した学習システム「Sプリ」を主に使い、子どもたち一人ひとりの学習に合わせた問題プリントが渡される。基礎基本をていねいに指導し、子どもたちは「わかる喜び」を実感し、学習への意欲がわいている。指導者に大学生ボランティアを確保できている校区は、子どもと年齢の近いことなどから相互の親近感も増し、学習効果も高いようだ。このボランティアを通じ学生自身も教職への意欲を高めている。
実際に子どもたちに教えたボランティアの人たちには、「子どもたちをもっとレベルアップしてあげられたのではないか」という葛藤もあるようだ。また中学校区では高校受験に役立つ学習を取り入れていきたいという考え方もあるようだ。
市教委では、今後、英語学習も取り入れていきたい考えで、27年度は各校区で指導体制などを含めて検討してほしいと提起している。
文部科学省は、こうした放課後学習の展開をめざしているが、高崎市のように市内全校区で実施している自治体は少ないと見られ、高崎市教育委員会の大山教育委員長は「つまずいている子どもたちの解消に力を発揮し、子どもたち、父兄の評価も高い。課題を克服し充実発展させ、全国のひな形になることを期待している」と話していた。