エボラ出血熱に備えて実地訓練

(2015年1月26日)

写真を拡大防護服の救急隊が患者を移送

保健所・消防局と県・警察署が連携

 高崎市内でエボラ出血熱が発生した場合に備え、高崎市と高崎市等広域消防局による実地訓練が、26日(月)に高崎市総合保健センターで行われた。群馬県や高崎警察署と連携して実施され、約80人が参加、見学した。
 この訓練は、西アフリカから帰国し、検疫所の健康監視対象となっている市内の男性が、帰国後3日目に発熱症状となった想定で行われ、エボラ出血熱と疑われる患者(エボラ出血熱疑似症患者)が発生した場合に、関係機関が迅速、的確に対応できるよう実際に役割を確認した。感染の拡大防止とともに、携わる職員の安全確保をめざしたもの。
 検疫所から連絡を受けた高崎市保健所が、関係機関に通報し、患者の自宅で診断を行い、高崎市等広域消防局の救急車が高崎警察署パトカーの先導で、患者宅から県内指定病院となっている群大病院へ患者を移送する。移送を行った救急隊員が、保健所職員の介助で安全に防護服を脱衣するところまで訓練された。
 高崎市保健所によれば、患者の搬送は保健所が行うことが国の指針となっており、全国の保健所が不安を抱えているが、高崎市は消防局の全面協力で救急隊が搬送する全国でも数少ない体制が確立できたという。高崎市保健所の中村所長は「高度の専門訓練を受け、精通した救急隊が搬送できることは市民のためにも心強い。深夜、休日の招集体制が課題となるが、迅速に対応できるよう取り組みたい」と話している。訓練にあたって高崎市消防局の高見沢局長は「いつどこで発生するかわからず、考えられることを考え尽くして問題点を出し、市民を守らなければならない。想定外では通用しない」と述べた。