『野のなななのか・大林監督』が抜き出た力作

(2015年1月20日)

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第29回高崎映画祭受賞者を発表

 第29回高崎映画祭の受賞者が20日に発表された。
 今回は、大林宜彦監督の『野のなななのか』が最優秀作品賞・特別大賞を受賞し、呉美保(お・みぽ)監督の『そこのみにて光輝く』が最優秀監督賞ほか4部門を占めるなど、新人部門を除き、主だった賞をこの二本が独占した。
 高崎映画祭の志尾睦子総合ディレクターは、受賞作品の選考について、「今年の映画の中で「『野のなななのか』は別格だった。日本の映画界で大林監督、大林組の存在は大きい。映画の醍醐味をあらためて思い知らされた作品」と最優秀作品賞に選び、併せて監督とキャストスタッフ一同を高崎映画祭初の特別大賞に決めた。 『そこのみにて光輝く』は、「配役の誰か一人が欠けてもこの作品の世界は表現できない」と監督、俳優の力量が評価され、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀助演男優賞を総なめした。
 第29回高崎映画祭の会期は、3月21日(土)から4月5日(日)までの16日間で、会場は、高崎市文化会館、高崎シティギャラリー、シネマテークたかさき、高崎電気館の4会場。昨年に復活した高崎電気館が新たな会場として加わり、35mmフィルムの作品を上映する計画で、高崎映画祭らしい魅力となりそうだ。上映作品の発表は2月下旬を予定。
 授賞式は3月22日(日)午後3時から高崎市文化会館で行われる。授賞式チケットの発売については、上映作品とともに発表される予定。

◇最優秀作品賞・特別大賞
『野のなななのか』大林宣彦監督/キャストスタッフ一同
◇最優秀監督賞
『そこのみにて光り輝く』呉美保監督
◇最優秀主演女優賞
『野のなななのか』常盤貴子
◇最優秀主演女優賞
『百円の恋』/ 『0.5ミリ』安藤サクラ
◇最優秀主演男優賞
『そこのみにて光り輝く』綾野剛
◇最優秀助演女優賞
『そこのみにて光り輝く』池脇千鶴
◇最優秀助演男優賞
『そこのみにて光り輝く』高橋和也
◇最優秀助演男優賞
『そこのみにて光り輝く』菅田将暉
◇最優秀新進女優賞
『水の声を聞く』玄里
◇最優秀新人女優賞
『2つ目の窓』吉永淳
◇最優秀新人男優賞
『2つ目の窓』村上虹郎
◇新進監督グランプリ
『0.5ミリ』安藤桃子監督