中小企業支援とまちの活性化に施策

(2014年12月9日)

これまで13事業を創設、多面的な効果を狙う

 高崎市は、3日の高崎市議会一般質問で、高橋美奈雄議員の質問に答え、富岡市長就任からこれまでに取り組んだまちづくり施策について、事業効果を例示した。
 富岡市長が新しく打ち出した新政策のうち、中小企業支援などを伴うまちづくり活性化施策は、住環境改善助成事業、まちなか商店リニュアル助成金、空き家緊急総合対策助成金、ビジネス立地奨励金、小口資金融資保証料補助、創業者融資保証料補助及び利子補給制度、農畜産物販売拡大奨励金など13事業が創設された。
 市内中小零細企業の仕事を増やす、企業誘致を促進し雇用基盤・税収基盤を確保する、中小企業の経営改善・経営安定をはかる、若者の起業を応援する、高崎産農畜産物の販売拡大‐などを目的に実施され、効果を上げている。全国に先駆けた施策で、自治体の注目を集めている取り組みも多い。
 平成26年度に実施されている事業費の合計は予算ベースで13億円、市の補助金全体の約5%となっているが、波及効果は大きいようだ。
 住環境改善助成事業の件数と補助金額は、平成23年度決算が1059件、1億7708万円。25年度決算は1082件、1億9269万円で件数、金額ともに増加している。この事業によって23年度から25年度までの3年間に市民から市内業者に発注された工事費総額は約29億円で、大きな経済効果が得られている。市民に好評な事業で、24年度から26年度まで当初の予想を上回る申し込みとなっている。
 まちなか商店リニュアル助成金は、25年度決算で687件、助成額4億2064万円で、発注された工事費は9億7957万円となっており、工事による経済効果に加え、商店の魅力づくりや顧客の拡大につながり、まちの活性化にも寄与している。
 今年度から実施した空き家緊急総合対策助成金は、11月時点で183件、1億7450万円を執行し、予想を上回る反響に増額補正を実施している。
 信用保証協会の保証料を全額補助する小口資金融資保証料補助では、保証協会の保証承諾のうち、県内で高崎市が占める割合が、事業実施前の平成23年度は金額ベースで15・42%、現在は25・92%に増加、件数ベースでは15・96%から27・21%に増加し、中小企業の資金調達に役立っている。
 農畜産物販売拡大奨励金では、首都圏の百貨店やスーパーからの問い合わせがあり、実施店舗からは、これをきっかけに高崎産農産物を強化したいという話もあった。
 富岡市長は「市長就任以来、高崎で仕事を増やしビジネスを盛んにし、その力を背景に福祉や子育て施策、安心なまちづくりを行うことに一貫して取り組んできた。高崎は98%が中小零細企業で、高崎のビジネスを盛んにするために国の施策を待っていては進まないと考えている。地方都市の中小零細企業に国の目配りが及ぶには時間がかかるので、高崎市ができることを素早く、しっかりとやっていきたい。事業成果は、金額は一つの面にすぎない。商店のリニュアルでは、市内の工事業者の仕事が増えるのは事業目的の一つで大切だが、同時に商店の売り上げが伸び、まちが魅力的になるのも大きな効果で、数字で検証しにくい。まちを歩いていると反響の声を聞き、大きな効果があったと認識している。一つの事業が複数の効果を持つように進めていきたい。計画の作文づくりに一年かけてもしかたがない。やることを進めていく。大きなプロジェクトだけでなく、うるおいのあるまちづくり、福祉や子育て環境づくりなども着実に進めていかなければならないが、まだまだ足りないと思っている。一生懸命やっていきたい」と意欲を示した。
 また財政面について富岡市長は「財政は常に意識している。これまで3カ年度の予算編成を行ったが、2カ年度は対前年マイナス、今年度も伸び率は1・8%で中核市、政令市の中では極端に少ない伸び率で、消費税の影響分1・2%は除けば実質的に0・6%で、胸を張って財政の縮減を実施していると言える」と考えを述べた。
 高橋議員は「事業をどう生かすか、どのような効果が発生しているかが重要。今まで種をまき、やっと芽がでてきたところだ。これから花を咲かせ実を実らせるようお願いしたい。高崎がこれからどう変わっていくのか市民も大きな期待を持っている」と要望した。