「シネマテークを高崎の誇りに」片桐さん
(2014年12月7日)
一日もぎり嬢として活躍する片桐さん(右)
開館10周年で一日もぎり嬢
「シネマテークたかさき」の開館10周年記念で6日に特別上映された、「かもめ食堂」の「もぎり嬢」として、同映画に出演している女優の片桐はいりさんが来場者を迎えた。
「もぎり」は劇場などで入場券の半券を切り取る作業で、片桐さんは都内の映画館でもぎりのアルバイトをしながら女優をめざした経歴で知られエッセー集も出版されている。
予約販売された鑑賞券は完売となり入場の列が館外まで並んだ。片桐さんは、「もぎり嬢」の頃に着用していた青い事務服で登場し、「お待たせしました、いらっしゃいませ」と一人ひとりに声をかけながら、みごとな手さばきで「もぎり」をこなしていた。シネマテーク支配人の小林栄子さんも「チケットさばきがすばらしい」と感心するほど。
片桐さんがシネマテークを訪れるのは今回が初めてで、「かもめ食堂」上映前の舞台あいさつでは、「10周年おめでとうございます。ずっと気になっていた映画館でした」と初来館の喜びを笑顔で語った。片桐さんは「かもめ食堂」の撮影エピソードを紹介しながら、映画館の数が減っていく現状について触れ「高崎は幸せですね。映画館がまちにあるのは奇跡で、シネマテークは得がたい奇跡です。高崎のまちを誇っていいと思います」とシネマテークの活動をたたえた。片桐さんは、次の機会には電気館にも足を運んでみたいそうだ。
シネマテークたかさきは、高崎映画祭事務局長の故・茂木正男さんらの情熱で2004年12月4日に開館したミニシアターで、高崎の市民文化の象徴する存在となっている。これまでの上映本数は1256本、動員数は延べ30万8258人、来館ゲストの映画監督・俳優は222人となっている。この日に上映された「かもめ食堂」は2006年の話題作でシネマテークは連日盛況となり、開館10年の歴史の中で最大のヒットとなったシネマテークおすすめの作品。
シネマテークは、10周年記念事業として、引き続き様々なイベントを企画していきたいという。