スマホを活用/救命に役立つアプリで講習会

(2014年11月20日)

写真を拡大受講者に心肺蘇生法を説明する五十嵐医師

心臓マッサージやAED使用法

 11月15日に、心臓マッサージやAEDの使い方を学ぶ講習会がハーモニー高崎ケアセンターで行われた。高崎市ボランティアグループ連絡協議会会長の佐藤明子さんが、万が一に備えて救急の知識を知ってもらおうと呼びかけ、市民約30人が参加した。
 講師を務めたのは高崎市出身で、現在、都内でクリニックを開業する五十嵐健祐(いがらし・けんすけ=29歳)医師。
 五十嵐医師は、AED(自動体外式除細動器)が普及しながら、実際に使われる例が少ないことから、AEDの使い方や心臓マッサージなど万が一に備えた啓発に取り組む一方、スマホを活用し応急救護支援アプリ「ハートレスキュー」、脳梗塞の発症リスクの発見に役立つ心房細動検出アプリ「ハートリズム」を開発し、救命率の向上をめざし活動している。
 講習では、パソコン等で最寄りのAED設置場所を検索できるAEDマップサイトの使い方や心肺蘇生の講習キットを使った心臓マッサージとAEDの使い方を学び、参加者は熱心に受講していた。
 倒れている人の発見した時は、周囲の人に協力を呼びかけて救急要請し、「正常な反応や意識がない時は、ためらわず心肺蘇生をしてほしい。脳に血液を循環させることが最も重要」と五十嵐医師は語る。心臓マッサージは、一分間に100回以上で、「童謡の“あんたがたどこさ”のリズムに合わせて行うのがいい」という。心臓マッサージのキットを使った受講者は「思った以上に力が必要で疲れるので大変」と話している。五十嵐医師は「救急車が到着するまでの平均時間は8分。何人かで2分程度で交替して行ってほしい」と説明した。
 五十嵐医師が開発したアプリ「ハートリズム」は、スマホのカメラに指を当てるだけで心電図がグラフ表示され、不整脈の発見につながり、脳梗塞の発症リスクを知ることができるので、参加者が強い関心を寄せていた。このアプリはiPhone専用で無料。現在、1万ダウンロードの実績があるそうだ。