東京富士美術館の名品「日本絵画の精華」展

(2014年11月17日)


京を精緻に描写した「洛中洛外図屏風」。豊臣と徳川の勢力が拮抗する様子もうかがえる。
小栗公所用「本小札紺絲威五枚胴具足」

小栗公の甲冑も特別出品

 東京富士美術館が所蔵する日本画の名品を展覧した「日本絵画の精華」展が高崎市タワー美術館で15日に開幕した。
 この同展では、東京富士美術館が所蔵するコレクションの中からよりすぐり、江戸時代から昭和まで日本画の名品46点が展示されている。
見どころとなっているのが、江戸時代前期に狩野派の絵師が描いた「洛中洛外図屏風」と高崎市ゆかりの幕末の偉人・小栗上野介公の甲冑「本小札紺絲威五枚胴具足(文久2年=1862)」の特別展示で、東京富士美術館の館外に貸し出されることは少なく、貴重な鑑賞の機会となっているということです。
 東京富士美術館は、昭和58年に東京・八王子市に開館し、国内外の美術、約3万点を収蔵しており、西洋画や写真のコレクションが高く評価されている。日本美術のコレクションも充実しているが、これまで展示する機会が少なかった。今回の展覧会では、東京富士美術館と高崎市タワー美術館が展示作品をよりすぐり、日本絵画の魅力が堪能できる意欲的なものとなっている。小栗公の甲冑は、高崎市の要望で特別に貸し出された。
 15日に行われた展覧会の開幕式典で、東京富士美術館の五木田館長は「洛中洛外図屏風は、当館の宝物。高崎で、質の高い展覧会が開催でき美術品も喜んでいるように見えます。小栗公の甲冑は美術工芸の名作で、小栗公の人物を偲ぶ風格ある作品。気にいった作品を見つけて楽しんでください」と話していた。富岡市長は「関係者の皆様に東京富士美術館との橋渡しをしていただき、日本画の名品が高崎で展示できることになり本当にありがたいと思います。小栗公の甲冑はすばらしい芸術品だと思います」と開催の喜びを語った。
 会期は平成27年1月18日まで。入館料は一般800円、大高生は400円、身障者手帳などの交付を受けた人と付き添い一人、65歳以上と中学生以下は無料。開館時間は午前10時から午後6時。金曜日は午後8時。閉館30分前まで入館可。休館は月曜(祝日の場合は翌火曜日)と年末年始。
 11月30日、12月14日・27日、1月10日の午後2時から学芸員による作品解説会。

問い合わせは高崎市タワー美術館☎027・330・3773.