高崎のシンボルとして電気館が再び
(2014年10月6日)
「地域活性化センター」として3日に開館
柳川町の高崎電気館の建物をそのまま生かし、高崎市がまちなかの活性化拠点として整備した「地域活性化センター」が3日に開館した。
高崎電気館は、今から約100年前、高崎に初めて開館した映画館で、現在の建物は 昭和41年に建築された。高崎電気館は平成13年に閉館したが、所有者の広瀬公子さんが大切に管理し、昨年度、高崎市に寄贈した。市では広瀬さんの意向を受け、電気館をそのまま保存しながら、まちなかに市民が集まり、高崎の文化を楽しむ拠点として整備した。耐震補強のため1階の一部が改造されているが、建物が醸し出す昭和の懐かしい雰囲気は全く損なわれておらず、高崎の新名所としても期待できそうだ。
1階は、まちなかの活性化に役立つ市民の活動拠点で会議室や展示室、2階は電気館の上映施設と客席をそのまま生かした映画館になっている。地域活性化センター長に高崎青年会議所の相京恵さん、2階の映画館長はシネマテークたかさき代表の志尾睦子さんが就任し、若手を中心とした運営で企画力を発揮してもらう。
電気館では2台の映写機が使われていたが、修理に手を尽くして1台を復活させ、もう一台は往時のままに復元し、2階ロビーに展示した。
3日、4日はオープン記念イベントが行われ、群馬交響楽団の草創期を描いた映画「ここに泉あり」、高崎で活躍しているロックンロールバンド・ストレイボーイズのドキュメント映画の上映などが行われた。1階の展示室では、昭和の高崎をテーマにした写真展が常設されている。2階の映画館では、これから月に1回程度、「ここに泉あり」や、高崎で撮影された映画などの上映が計画されている。
開館にあたり、富岡市長は「電気館を大切にしてほしいと広瀬さんから寄贈を受けました。昭和の香り、ありのままの電気館を残し、新しい文化の拠点、高崎のシンボルにしたい」とあいさつ。電気館を高崎市に寄贈した広瀬さんは「こうして電気館を再開させることが大きな夢でした。若い人たちにも電気館に関心を持ってほしいです」と喜びを語った。
開館時間は、午前10時から午後10時を予定し、建物内は自由に観覧することができるので、まちなかの散策スポットとしても楽しめる。