観音塚古墳出土の名品が韓国の展覧会に

(2014年7月30日)

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東アジアの文化交流を探る

 韓国・公州(こんじゅ)市の国立公州博物館で9月に行われる「東アジア文化交流の宝庫-武寧王陵」展に日本を代表して、八幡町の観音塚古墳から出土した「銅承台付蓋鋺(どううけだいつきがいわん)」が出品されることになった。
 この展覧会はかつて百済(くだら)の王都が置かれた公州市などで開かれる「百済文化祭」の60周年記念として9月25日から11月23日まで開かれるもので、百済武寧王陵(ぶねいおうりょう)から出土した資料を中心に、東アジアの文化交流を示す資料を一堂に集めて展示されることになっている。
 観音塚古墳から出土した「銅承台付蓋鋺」は、高さがおよそ14・8センチで、承台、鋺、蓋がセットになっており、国の重要文化財に指定されている。鋳造によって作られ、金メッキが施されている。同種の資料は国内に数が少なく、古墳出土品の名品とされている。 高崎市教育委員会によれば武寧王陵の出土品と酷似していることから、二つの出土品を比較するために、出品の依頼を受けたという。高崎市教育委員会では、出土品の実物と複製品を貸し出すことにしており、日本からは他に、福岡県や滋賀県などから出土した刀や銅の鏡などが出品されるということです。
 この「銅承台付蓋鋺」は、韓国に貸し出す直前の8月31日(日)まで、高崎市観音塚考古資料館で展示されている。韓国国立公州博物館と学術提携している九州国立博物館で、韓国の展覧会と連動し「古代日本と百済の交流」展が2015年1月1日から3月1日まで、開催され、この「銅承台付蓋鋺」も出品される。